コウチーニョ、オバメヤン、R・カルロスらの才能見極められず 「セリエAに残る7つの後悔」

アーセナルでポテンシャルが開花したアンリ photo/Getty Images

ポテンシャルが開花する前に手放してしまった

リヴァプールで才能を開花させたMFフィリペ・コウチーニョは、今冬に史上2番目となる1億4200万ポンドもの移籍金でバルセロナへ移籍した。この移籍を苦い思いで見ているのがセリエAだ。なぜなら、コウチーニョは2010年から3年間インテルに所属していた選手だからだ。しかし当時は独り善がりなプレイが多いとの指摘もあり、エスパニョールにレンタル移籍するなど思うような活躍はできず。その後インテルはあっさりと800万ポンドでコウチーニョを手放している。まさかコウチーニョがここまでの選手になるとは思っていなかったのだろう。

これを受けて伊『Calciomercato』は、「コウチーニョを含むセリエAに残る7つの後悔」と題し、コウチーニョと同じく才能を見極められないまま簡単に手放してしまった選手を紹介している。

DFではレアル・マドリードで活躍したイバン・エルゲラ、ロベルト・カルロス、ミカエル・シルヴェストルの3人がリストアップされている。エルゲラは1997-98シーズンのみローマでプレイしたが、満足なチャンスが与えられないまま母国スペインに復帰。その2年後にはレアルでレギュラーとなり、最終ラインとボランチの両方をこなす守備職人としてチャンピオンズリーグ制覇などに貢献した。
ロベルト・カルロス、シルヴェストルはインテルでプレイしていた経験を持つ。ロベルト・カルロスは当時指揮官だったロイ・ホジソンに本来の左サイドバックで起用してもらえず、ポテンシャルをフルに発揮できなかった。出場機会は得ていたものの、わずか1シーズンを過ごしただけでレアルに移籍。そこで世界最高のレフトバックとなり、数多くの成功を収めた。シルヴェストルもインテルでは正当な評価がされず、1シーズンでマンチェスター・ユナイテッドに移籍。マンUでは約10年にわたってプレイを続け、アレックス・ファーガソン政権の成功を支える選手の1人となった。

ミランも大きな後悔を味わったクラブだ。まずはMFパトリック・ヴィエラだ。ヴィエラといえばアーセナルで無敗優勝を達成するなど、フランスサッカー界を代表する名MFだ。そのヴィエラは1996年にミランへ加入するも、ほとんど出場機会は与えられなかった。まだ20歳だったことを考えると仕方がないかもしれないが、その才能をアーセナルは見逃さなかった。すかさずヴィエラを獲得し、ワールドクラスのMFに育て上げている。

現在ドルトムントで活躍するFWピエール・エメリク・オバメヤンもそうだ。オバメヤンはミランのユースに在籍していた経験があり、そこでは結果を出していた。しかしミランはトップチームでチャンスを与えず、フランスのディジョンやリールにレンタル移籍させ続けた。最終的には2012年にサンテティエンヌに完全移籍し、そこでブレイクしてドルトムントへ移籍。今ではブンデスリーガ得点王を争うワールドクラスの点取り屋に成長している。この2人に全くチャンスを与えなかったことをミランは後悔しているはずだ。

最後の1人は、アーセナルで世界トップクラスのストライカーへ成長したFWティエリ・アンリだ。ユヴェントスに在籍していた経験を持つアンリはアーセナルで点取り屋として成長したが、当時はウイングで起用されることも多かった。ユヴェントスでもポテンシャルを発揮できず、1年も経たずアーセナルへ移籍。そこでアーセン・ヴェンゲルがストライカーとして経験を積ませ、絶対的な点取り屋になった。ユヴェントスもまさかこれほどのFWになるとは考えていなかったかもしれない。

今回のコウチーニョもセリエAの大失敗の1つであり、とんでもない選手へと成長してしまった。結果論ではあるものの、コウチーニョの活躍を見るたびにインテルサポーターは寂しい気持ちになるかもしれない。

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