結局ギェケレシュを獲得
ついにアーセナル移籍を果たしたスウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュ。プレシーズンのニューカッスル戦では「14」番のシャツをまとった姿がお披露目となり、ファンの期待は高まっているところだ。
今夏、アーセナルは2人のストライカーを追っているとされていた。ギェケレシュと、そしてライプツィヒのベンヤミン・シェシュコだ。一時はアーセナルはシェシュコ獲得に傾いているとされたが、結局アーセナルはギェケレシュのほうを選んでいる。
なぜシェシュコへの興味はフェイドアウトしてしまったのか。『The Athletic』はクラブ関係者から匿名を条件に明かされた移籍の内幕を報じているが、やはり最初のうちはシェシュコ獲得が有力だったのだという。エドゥ前SDの暫定後任として動いていたジェイソン・アイトは、ライプツィヒと緊密な関係を保っていた。しかしアンドレア・ベルタ新SDの就任により状況は一変したようだ。
シェシュコ陣営はアーセナルが第一候補だと考えていたようだが、早期の契約締結には慎重で、かつ移籍金は高く、進展は限定的だったという。代理人のエルビス・バサノビッチ氏との交渉も大きな進展を見せず、一方でギェケレシュとの交渉は、少なくとも選手との個人合意レベルではスムーズだった。シェシュコ側も譲歩の姿勢を見せるようになったが、しだいにアーセナルはギェケレシュ獲得に傾いていったという。
そして6月にはベルタがスポルティングCPと直接交渉を行うためにスペインのメノルカ島へ飛んだ。これが決定的だったようだ。シェシュコに対して、このように直接の会談を行う動きはみられなかった。
選手との個人合意にもかかわらず、スポルティング会長のフレデリコ・ヴァランダス氏にギェケレシュを売却するつもりがなかったことは誤算だったかもしれないが、代理人のハサン・チェティンカヤ氏も協力的な姿勢を見せたことでアーセナルはなんとかギェケレシュ獲得に漕ぎ着けた。一方、シェシュコのアーセナル行きは破談となり、現在はニューカッスルがアレクサンデル・イサク流出に備えて獲得を検討しているという。
状況ひとつで運命が大きく変わる移籍市場。シェシュコにはどんな将来が待っているのか、引き続き注目が集まることになる。