すでにパスはメッシクラス? 17歳でとんでもない完成度を誇るヤマルはメッシの領域に届くか「最大のリスクは怪我だ」

バルセロナで躍動するヤマル photo/Getty Images

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足りないのは得点力

惜しくもチームはチャンピオンズリーグ準決勝でインテルに敗れたが、バルセロナFWラミン・ヤマルのパフォーマンスは特別だった。インテルの守備陣はヤマルのドリブルに振り回され続け、針の穴を通すようなパスも何度かあった。

そんなヤマルには、どうしても元バルセロナFWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)との比較が起きてしまう。バルセロナを再び欧州のトップへ導く存在になるのではと期待されているのだ。

果たしてヤマルはメッシの領域に届くのか。『ESPN』は、パス能力に関しては『10代史上最高の精度』があるのではないかと絶賛している。メッシもパス精度は抜群に高いが、10代の時点ではそこまで印象的ではなかった。年齢を重ねるとともにスタイルを変え、巧みなパスで敵陣のスペースを突くようになった印象だ。ヤマルはそれを17歳時点でこなしている。
ドリブルの能力も極めて高い。ただ、ドリブルに関しては他にも強烈なインパクトを残した選手はいた。現段階で足りないものがあるとすれば、やはり得点力だろう。バルセロナ時代のメッシは、レアル・マドリードに所属していたクリスティアーノ・ロナウドとともに毎シーズン50ゴール近くを奪ってきた。この得点力が今のヤマルにはまだ無い。

5年ほど時が経てばヤマルも驚異のゴールマシーンになっているかもしれないが、今後気を付けてほしいのが怪我だ。バルセロナは近年も優れたティーンエイジャーを輩出しているが、怪我に苦しんだ選手も少なくない。同メディアもそこを気にかけている。

「ヤマルのキャリアにおける最大のリスクは怪我だ。例えばマイケル・オーウェンのキャリアを見れば、ゴール&アシストを合わせて彼のベストは17歳の時だった。オーウェンはパフォーマンスが衰えた原因が19歳の時に負ったハムストリング断裂にあると振り返っている。そしてピークを迎える頃にはサッカーをするのも嫌になっていたという。27歳以降、オーウェンが1000分以上プレイできたシーズンは1度しかない。バルセロナも近年はアンス・ファティ、ペドリ、ガビらを輩出しており、いずれも10代からハイレベルなプレイを見せていたが、いずれも1度は大きな怪我で長期離脱を経験している」

ヤマルも17歳時点でかなりプレイタイムが多くなっており、スペイン代表でも絶対的な主力だ。メッシやロナウドはそこまで大きな怪我がなく、それも順調にパフォーマンスレベルが上がった一因だ。怪我をしないのも才能の1つと言えるが、バルセロナはヤマルを守っていけるだろうか。怪我のトラブルさえなければ、ヤマルは本当にメッシの領域に近づく選手となるかもしれない。

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