ヴィドゥカ、キューウェル、ケイヒルら黄金世代をもう一度 イランクンダ、イェンギら豪州で増える“海外組”の若手たち

アジア2次予選を危なげなく突破したオーストラリア photo/Getty Images

予選を通して多くの若手をテストしている

2026ワールドカップ・アジア2次予選で5戦5勝。グループIに入るオーストラリア代表は17ゴール0失点と安定した戦いを見せ、すでに2次予選突破を決めている。

相手はパレスチナ、レバノン、バングラデシュと格下ばかりのため、オーストラリアの2次予選突破は当然の結果と言える。注目したいのは、この2次予選を通して積極的に若手を試してきているところだろう。

5日にはバングラデシュと対戦して2-0の勝利を収めたが、このゲームではバイエルン入りが内定している18歳のFWネストリ・イランクンダがついに代表デビュー。ウイングで先発を果たしており、2次予選突破を決めているこのタイミングがイランクンダをデビューさせる絶好の機会だったと言える。
さらにこの2次予選で注目したいのが25歳の大型FWクシニ・イェンギだ。今回のバングラデシュ戦にも先発したイェンギは、62分に得点を記録。これで3月のレバノン戦に続いて2試合連続ゴールだ。

イェンギは昨年11月に代表デビューした190cmの大型ストライカーで、現在はイングランド3部に属するポーツマスでプレイしている。3部ではあるものの、今季は9ゴールを記録。こうしたサイズのあるストライカーは何かと厄介で、25歳のイェンギが2026年のワールドカップ本大会までに化ければ面白い。

他にも今回の代表ではベルギーのウェステルローでプレイする21歳の左SBジョーダン・ボス(21)、パルマの主力センターバックとしてチームのセリエA昇格に貢献した20歳のDFアレッサンドロ・チルカーティ、今年の2月にイングランドのアストン・ヴィラと契約した23歳のGKジョー・ガウチ、イプスウィッチ・タウンの主力としてプレミア昇格に大きく貢献した194cmの大型DFキャメロン・バージェス(25)といった選手を招集していて、彼らは全員2023年に代表デビューしたフレッシュな選手たちだ。

今季ブンデスリーガ2部のザンクト・パウリで3ゴール5アシストの成績を残したMFコナー・メットカーフもまだ24歳と若く、オーストラリアは若手から中堅世代にかけて海外組が徐々に増加しつつある。1部リーグでプレイしている者は限られているが、オーストラリア国内リーグとは異なる環境でプレイすることで学べるものもあるはずだ。

かつて日本代表を苦しめていたオーストラリア代表には、マーク・ヴィドゥカや現横浜F・マリノス監督のハリー・キューウェル、不動の守護神マーク・シュウォーツァー、日本キラーの側面もあったティム・ケイヒルら海外組が多く、選手の個の能力が高かった。

あの時代を黄金世代と考える人も多いが、2022年のワールドカップ・カタール大会ではついに2006年大会以来となるグループステージ突破を果たした。再びオーストラリアサッカー界に良い波がきているのは確かで、次に繋げるためにも次世代の育成が不可欠だ。

イェンギやガウチ、イランクンダといった海外で戦う選手たちにかかる期待は大きく、この2次予選で多くのプレイヤーをテストできたのは1つの収穫と言えそうだ。

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