“何でもできる”旗手は日本の攻撃型左サイドバックにもなれる 超ユーティリティMFが左サイドで見せた可能性

今月の代表戦では左サイドに入った旗手 photo/Getty Images

三笘との縦関係も面白い

11月よりスタートする2026ワールドカップ・アジア2次予選からは、代表の選手登録数が現行の26名から23名へ減ることが決まっている。

ますますメンバー争いが激しくなるわけだが、ここで重要となってくるのが複数ポジションをこなすユーティリティプレイヤーの存在だ。チームに1人か2人は欲しいタイプで、1つのポジションしかこなせない選手ばかりでは戦えない。

頼もしい選手の1人がセルティック所属MF旗手怜央だ。
今月の代表戦ではFW三笘薫が合流を回避し、FW中村敬斗も13日のカナダ戦で左の足首を負傷してしまうアクシデントがあった。そのため17日のチュニジア戦では左ウイングを本職とする選手が不足してしまったのだが、彼らの代わりに左ウイングに入ったのが旗手だ。

三笘や中村ほどの推進力を持つわけではないが、旗手の技術レベルも高い。チュニジア戦では左サイドから右の伊東純也へ一気にサイドチェンジのボールを送るなど、旗手らしい視野の広いプレイを見せていた。

この動きに注目したのがスコットランド現地の『Scottish The Sun』だ。

セルティックでの旗手は中盤の絶対的主役で、今回のようにウイングなど中盤以外のポジションに回る機会は少ない。ただ、今の日本は田中碧、鎌田大地、守田英正など中盤のタレントが多い。代表では旗手のポジションも固まっていないのだ。

しかし、旗手はチュニジア戦でも示したようにサイドでのプレイも上手い。ウイングはもちろんだが、左サイドバックでのプレイも面白い選択肢となるのではないか。

同メディアも、SNS上で旗手の左サイドバック起用案をプッシュする声が出ていると取り上げており、旗手はサイドバックのポジションもこなせる。特に左は長らく長友佑都が担当してきたポジションで、まだ絶対的な後継者が決まっていない。

シュツットガルトDF伊藤洋輝、今月の代表戦でも左サイドバックに入ったハダースフィールド・タウンDF中山雄太もいるが、両者は守備に強みを持つサイドバックだ。その点、旗手は高い足下の技術とゲームビジョンを持ち合わせる。現代ではサイドバックの位置からビルドアップがスタートするケースも一般的で、旗手を左サイドバックへ回した場合は伊藤や中山と異なるアイディアが出てくるはずだ。

選手登録数が23名に減ることを考えても、左サイドバック起用案を含めユーティリティ性の高い旗手は重要なピースとなるのではないか。来年のアジアカップまでに試してもいいアイディアで、旗手と三笘が左サイドで縦の関係になるのも面白い。ブライトンでもそうだが、三笘の攻撃性を活かすうえで左サイドバックの貢献は重要だ。

旗手がチュニジア戦で見せた左サイドでのプレイにはその可能性を感じさせるものがあり、攻撃的レフトバックが不足していることを考えても試す価値のあるアイディアかもしれない。

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