水沼貴史です。欧州各国リーグの2023-24シーズンが続々と開幕しており、11日にはプレミアリーグの新たな戦いも幕が開けますね。近年圧倒的な力を見せてきたマンチェスター・シティが史上初のリーグ4連覇を成し遂げるのか、はたまた彼らを止めるクラブが現れるのか……。新シーズンもプレミアリーグの見どころはたくさんあります。新生・チェルシーが昨季の汚名を返上できるのかも、見どころのひとつでしょう。そこで今回は、そんなチェルシーについて、少々お話をしたいと思います。
昨季のチェルシーは、プレミアリーグで勝ち点を「44」しか積み上げることができず、12位でフィニッシュ。何度も監督交代を敢行し、最後はクラブのレジェンドであるフランク・ランパードに託すことで、なんとかシーズンを終えることはできましたが、シーズン通してチームの一体感というものがあまり感じられませんでした。チェルシーとしては信じられないような、誰の目から見ても苦しいシーズンだったと思います。昨季の補強を見ても、あれほどのスター選手たちを獲ってきたはいいものの、選手数が飽和状態となってしまい、うまく機能せず。チーム作りの難しさも、垣間見れたシーズンだったと思います。
新シーズンは絶対に同じ轍を踏めない。そんな中で、チェルシーの未来を託されたのが、プレミアリーグ経験が豊富なマウリシオ・ポチェッティーノです。彼はパリ・サンジェルマンの指揮官も務めましたし、よく言えばビッグネームをコントロールできる人だと思います。ただ一方で、やはりチェルシーの指揮官はある程度「名前のある人」ではないと、やはり落ち着かないのかなも思いました。昨季半ばに招聘したグレアム・ポッターが苦戦したことから見てもわかる通り、チェルシーの指揮官においては戦術的に云々かんぬんではなく、まずは選手をしっかり掌握して、うまくまとめることがチームの力を発揮する上で一番大事な気がします。
実際にこれまでのプレシーズンマッチを見ていても、選手に対するコミュニケーションの取り方に気をつけながら、ポチェッティーノが必死に選手たちとやり取りしているのがわかります。今はまだ選手たちのパーソナリティをしっかり理解し、自分自身がどのようにマネージメントして、どうチームへ反映させていくのかという段階かもしれません。ただ、簡単ではない仕事でしょうが、それがうまい方向へ変わっていけば、今季のチェルシーは昨季のような失態を犯す可能性は低いのではないでしょうか。能力が高い選手たちは揃っていますからね。今季はチームの一体感を持ってシーズンを戦い抜いてほしいです。