中国代表がW杯に出場する日はくるのか アジアで勝てぬ現状で遠すぎる《初勝利&初得点》

今回の最終予選では1勝しかできなかった中国代表 photo/Getty Images

日韓大会以降は遠い目標に

中国代表がワールドカップで1勝を挙げるのはいつのことになるだろうか。

近年の中国サッカー界は自国のスーパーリーグに欧州からスター選手が続々と加わり、超強力助っ人を柱にアジアチャンピオンズリーグでも結果を残すクラブが出てきていた。いずれはこれが代表の強化に繋がり、ワールドカップのアジア予選にて厄介なライバルになるのではとの予想もあった。

しかし、現実はまるで異なる。今年のカタール大会に向けた予選ではFWエウケソンなど帰化した選手も中国代表に入ってきていたが、アジア最終予選で敗退。しかも成績は10試合で1勝3分6敗と散々だ。
中国は2002年の日韓大会に出場した実績を持つが、ワールドカップ本大会出場はこの1回のみ。しかもグループ3連敗で大会を終えており、0得点9失点と1度もネットを揺らせなかった。ワールドカップ初勝利はもちろん、初得点への壁もかなり高いのだ。

中国『CGTN』によると、元代表選手のリー・ビン氏は現在の実力でアジアを勝ち抜くのは難しいと正直な思いを口にする。

「今回の予選敗退もまったく驚くべきことではない。現在AFCのどのレベルにいるのかを考えると、我々がワールドカップ出場権を勝ち取るには不十分だ。厳しく聞こえるかもしれないが、通常は予選を突破できない」

国内のスーパーリーグでプレイする海外選手を帰化させる手法もあるが、そのスーパーリーグも新型コロナウイルスの影響などがあって停滞している。破産して解散するクラブも出てきており、中国スーパーリーグは形が崩れてきている。これでは世界のスターを惹きつけられない。

代表の実力を高めるには新たなメソッドが必要であり、リー・ビン氏は若手の育成に時間をかけるしかないと現実的だ。ここが完成していないため、自国からトップレベルの選手がなかなか出てこない。

中国スーパーリーグのクラブがACLで結果を残していた際には数年後に中国サッカーが大きく発展し、ワールドカップでも代表チームが活躍するのではとの予想もあったが、ワールドカップ初勝利まではまだまだ時間がかかりそうだ。

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