復活へのカギとなるのは協調性 “空白の半年”を過ごしたイハッタレンの再スタート

PSV時代の輝きを取り戻したいイハッタレン photo/Getty Images

オランダへのUターン近づく19歳

はたして、オランダの逸材はここから再びそのキャリアに火をつけることができるのか。今季前半戦はイタリアで“空白の半年”とも表現すべき時間を過ごした19歳だが、彼は今冬から母国で再スタートを切ることとなりそうだ。

その19歳とは、オランダ期待のMFモハメド・イハッタレン。2019-20シーズンにエールディビジで頭角を現し、昨夏PSVからユヴェントスへとステップアップを果たした同選手。PSV時代はまだティーンエイジャーながら10番のシャツを身に纏っていたこともあり、次世代のオランダ代表を担う存在として注目されていた。そんな選手が加入したとあって、ユヴェントスのファンもイハッタレンには相当な期待をかけていたことだろう。

しかし、その期待に応えられぬまま、イハッタレンはたった半年でイタリアを去る可能性が高くなっている。伊『Gazzetta dello Sport』によると、現在レンタル先のサンプドリアでまったく出番のない同選手に対しては、母国オランダのアヤックスが獲得に動いているとのこと。ユヴェントス側もこのオファーを受け入れる構えのようで、イハッタレンは買取OP付のレンタルで再びオランダへ帰還することが濃厚となっている。
今季は経験を積むため、ユヴェントス加入後に即サンプドリアへとレンタルされていたイハッタレン。だが、セリエA第3節のインテル戦でベンチ入りを果たして以降は一度もスカッドに加わる機会のない状態が続いていた。その理由として、先日オランダ『De Telegraaf』のインタビューに登場した同選手は“チームに対する不信感”を挙げており、周囲が自身を「まるで存在しないかのように扱った」と主張。トレーニング中にはアントニオ・カンドレーヴァと口論になったことも明かしており、「彼のキャリアはリスペクトしているけれど、あのグループには良い雰囲気がなかったように思う」とも発言している。一時は現地メディアによってうつ病罹患などの報道もなされたが、どうやらチームに馴染めなかった点こそ彼がメンバー外となっていた理由のようだ。

大きな期待を背にPSVからユヴェントスへと向かったものの、何も成果を挙げることができないまま今冬イタリアを去ることとなりそうなイハッタレン。はたして、このオランダ代表FWはここから再び以前の輝きを取り戻すことができるのか。PSV時代にもロジャー・シュミット監督との衝突が伝えられた同選手だけに、再ブレイクに向けての課題はどれだけ協調性を持って新たなチームに溶け込めるかだろう。どれほど優れた才能を備えていても、サッカーはチームスポーツ。それだけに、活躍のために必要なのは仲間との信頼関係だ。

イタリアでは孤独を感じることとなってしまったが、母国での再起に期待したいイハッタレン。はたして、アヤックス行きが正式に決定することとなれば、彼は再びPSV時代のようなパフォーマンスを取り戻すことができるのだろうか。19歳の未来はいかに。

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