“若き即戦力”でJ3を制覇 J1王者・川崎にも通ずるロアッソ熊本の戦略は

来季はJ2を戦う熊本(写真はイメージ) photo/Getty Images

最終節で優勝を決めた熊本

今季のJ3を制したのは最終節でFC岐阜に勝利したロアッソ熊本だった。大木武監督の下で培われたスタイルでJ3を優勝し、来季は4年ぶりにJ2の舞台へ戻る。

熊本は攻撃へつなげるためのスピーディーな守備と切り替えの早さでJ3を勝ち抜く。失点数は「20」とリーグ最少だが、決して守備的なスタイルではなく、あくまでも得点を奪うためのアグレッシブな形を採用。得点数も「39」とリーグ5番目に多いのだ。

そんなチームは大卒選手が非常に多く今季もルーキーがスタメンへと定着した。順天堂大学で主力だった杉山直宏は今季から熊本へ加入すると、27試合出場で5ゴールをマークして攻撃の中心となると、桐蔭横浜大学から入団したルーキーの岩下航も、18試合に先発してウィングバックとして攻守に躍動する主力となった。

またルーキーではないものの、大卒2年目や20代半ばの選手がメンバーの多くを占める。岐阜戦でゴールを決め、7得点でチームのトップスコアラーである高橋利樹も国士館大学から加入した2年目のプレイヤー。昨季もルーキーで9ゴールを決め、昨季のエースだった谷口海斗が移籍した今季は最前線で身体を張ってチームの起点となった。

FC岐阜戦ではスタメン11人のうち7人が大卒3年目以内の選手だった。大学からチームに加入させ、即戦力として活かすケースはJ1王者の川崎フロンターレにも見られ、昨季大卒ルーキーながら三笘薫や旗手怜央が即戦力となっており、今季も橘田健人が主力となった。過去にも谷口彰悟、守田英正、脇坂泰斗ら大卒選手がチームを支えており、カテゴリーを問わず行われている。川崎や熊本以外でも大卒1年目から主力となる選手は増えているため、今後も増加傾向にあることは間違いないだろう。

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