PSGとバルサで苦戦しても花開く 仏代表“左SB1番手”へ名乗りを上げる男
エヴァートンのディーニュ photo/Getty Images
激戦のポジションを確保できるか
フランス代表のような強豪チームとなれば、スタメン全員が欧州ビッグクラブ所属のプレイヤーで構成されることも珍しくない。
今月14日にはUEFAネーションズリーグでクロアチア代表を2-1で撃破したが、スタメンにはバルセロナDFクレマン・ラングレ、FWアントワーヌ・グリーズマン、レアル・マドリードDFラファエル・ヴァラン、フェルランド・メンディ、パリ・サンジェルマンFWキリアン・ムバッペなど、世界を代表するクラブに所属する者が揃っていた。
そんな中、スペイン『MARCA』が注目したのは左サイドバックだ。このポジションはフランス代表の中でも激戦区で、2018ロシアワールドカップ優勝に貢献したバイエルン所属のリュカ・エルナンデス、マンチェスター・シティのバンジャマン・メンディ、さらにクロアチア戦で右に回っていたフェルランド・メンディも本来は左サイドバックの選手だ。
ただ、代表監督ディディエ・デシャンが好んで起用しているのはエヴァートン所属のリュカ・ディーニュだ。クロアチア戦、さらに7日のウクライナ代表との親善試合でもディーニュがスタメン起用されており、同メディアはこの判断に驚いているのだ。
というのも、ディーニュは何度かビッグクラブで苦い思いを味わっている選手だからだ。2013年に加入したパリ・サンジェルマンではポジションを確保できず、その後移籍したバルセロナでも左サイドバックの1番手はジョルディ・アルバだった。
ディーニュはビッグクラブでの競争に敗れ、2018年にエヴァートンへ移籍することになったのだ。この経歴からディーニュを一流の左サイドバックではないと考えていた人も多いかもしれないが、それは間違いだ。
ディーニュは昨季プレミアリーグで7アシストと結果を残し、今季もリーグ戦5試合で早くも2アシストと活躍。17日に行われたリヴァプールとのマージーサイド・ダービーでもアシストを記録することになり、好調のエヴァートンに欠かせないサイドバックとなっている。
この活躍を続ければ、フェルランド・メンディやリュカ・エルナンデスを差し置いて来夏のEURO2020でフランス代表の左サイドバック1番手となるかもしれない。
パリとバルセロナで苦戦し、エヴァートンで才能が花開く。珍しいケースとも言えるが、ディーニュはフランス代表の左サイドバック争いをリードする存在となりつつある。