[名良橋晃]いま注目してほしい若手J戦士6人を独自セレクト

毎熊を知ってほしい 石田は“右の槍”

毎熊を知ってほしい 石田は“右の槍”

“右の槍”という印象の石田は、前方への推進力がある photo/Getty Images

 今シーズンはJリーグ、ルヴァン杯ともに例年とは違う特殊なレギュレーションで開催されています。過密日程で試合が続く。5人の交代が認められている。降格がない。これらを考慮し、多くの監督が若い選手たちを積極的に起用しています。そこで、今回はいま私が気になる若手6名を紹介します。

 イチ推しは、なんといっても大卒ルーキーの毎熊晟矢(長崎)です。桃山学院大では攻撃的なポジションを務めていましたが、長崎に加入し、手倉森誠監督によって右SBにコンバートされました。2度目の先発となった第3節福岡戦をちょうどチェックしていたのですが、慣れていないポジションでプレイしているとは思えませんでした。

 前方への推進力があって、疲れをみせずに最後まで走り抜く力があります。私が大好きなタイプで、すぐに気になりました。与えられたチャンスを生かし、その後の試合でも先発出場を続けています。ただ、疲労もあるのでしょう。精彩を欠く試合があり、守備面にはまだ課題があります。このあたりは、手倉森誠監督がしっかり指導してくれるでしょう。

 本人にとって、いまはすべてがはじめての経験だと思います。試合出場を重ねて、心・技、体のすべてでタフになってほしいです。どんどんステップアップし、チームの顔、主役になってほしいですね。今回、こうして毎熊晟矢という選手を紹介できてよかったです。

 石田凌太郎(名古屋)は以前から注目していた選手で、第8節柏戦に途中出場してデビューを飾りました。個人的に“右の槍”と呼んでいて、名古屋U-18時代は右SBを務め、気持ちよく相手をぶち抜いていました。何試合かをみたのですが、ホントに惚れ惚れするプレイをしていました。

 トップでも間違いなく出場チャンスがあるだろうと思っていましたが、まさかこんなに早くその機会を得るとは……。右サイドなら最終ラインから前線までこなせるタイプで、清水戦(ルヴァン杯)、浦和戦(第9節)では途中出場で前線に起用され、どん欲に勝負を仕掛けていました。こうした負けん気の強さが魅力で、怖いもの無しといった感じがプレイから伝わってきます。

 立て続けに交代出場している事実から、マッシモ・フィッカデンティ監督から一定の信頼を得ていると考えられます。過密日程で試合が続くので、今後先発するチャンスが必ずあると思います。このまま成長を続け、数年後の日本代表入りを期待しています。

16歳の中野に感じる将来性 櫻川は規格外の能力を持つ

16歳の中野に感じる将来性 櫻川は規格外の能力を持つ

デビュー戦でゴールを決めた櫻川には、ゴールにこだわってほしい photo/Getty Images

 中野伸哉(鳥栖)はまだ16歳ですが、2種登録で第8節FC東京戦に途中出場し、トップデビューを飾りました。その後のルヴァン杯にも交代出場し、続く第9節鹿島戦ではついにリーグ戦に初先発しています。利き足は左足ですが、右足でも正確なプレイができる技術力が高い選手です。ルヴァン杯の横浜FC戦では右サイドバック、鹿島戦では左サイドバックを務めており、左右どちらでもプレイできる器用さもあります。

 鳥栖U-18で高校1年生のときからレギュラーを務め、U-17日本代表として昨年開催されたU-17W杯にも出場しています。ポテンシャルが高く、日本サッカー界が将来を期待している選手のひとりです。みなさんにもぜひ注目してもらいたいです。

 まだ公式戦の出場は少ないですが、市立船橋高出身の畑大雅(湘南)も印象に残るプレイをみせてくれました。第6節鹿島戦に交代出場、ルヴァン杯の柏戦には先発フル出場しました。右サイドなら最終ラインでも中盤でもプレイできる選手で、天性のスピードとバネがあり、石田凌太郎と同じく“槍”のような突破力があります。

 ただ、左足の使い方にまだ課題があり、これからカベに当たるかもしれません。どう克服し、ステップアップしていくか。中野伸哉と同じくU-17W杯を戦ったメンバーであり、期待値の高い選手です。

 お金を払ってでもそのドリブルがみたい。そう思わせてくれたのが、高田颯也(大宮)です。密集地帯をスルスルと抜けていくドリブルは独特の間合いで、スピードがなさそうで実はあります。もっと試合に出場してほしいですが、奥抜侃志、イッペイ・シノヅカ、近藤貴司、黒川淳史など大宮には質の高いシャドーストライカーが揃っています。

 彼らとのポジション争いを制して出場を掴み取るのは、決して簡単ではありません。いずれもドリブルが得意な選手たちで、タイプも似ています。要は、越えなければならないカベが非常に高いです。それでも、すでに2試合に途中出場しています。こうしたチャンスを生かして、ぜひ高いカベを乗り越えてほしいです。

 最後に紹介したいのは、規格外の能力を持つ櫻川ソロモン(千葉)です。第5節金沢戦に先発すると、デビュー戦でいきなりゴールも決めました。U-18のころからみていますが、相当に気が強く、勝気な性格がプレイから伝わってきます。アカデミー出身の選手として、これからの千葉を背負っていく活躍が期待されます。

 いまはまだ強引なプレイが目立ち、状況に応じてまわりをうまく使うなどの判断ができていないときがあります。しかし、それでいいと思います。むしろまわりに気を使わずに、強引にゴールをこじ開けるぐらいの気持ちを持ち続けてほしいです。

「お前は得点だけにこだわれ」。まわりがそういう意識でサポートし、彼の能力をより引き出すことができれば、千葉はもちろん、日本サッカー界にとって面白い存在になります。

 なにしろ、初スタメンで初ゴールを決めています。櫻川ソロモンは、スターだけが持つそういう星の元に生まれてきたのではないかなと感じています。

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