チェルシーとのビッグロンドンダービーにおいて、敵地で辛くも勝点1を奪取したアーセナル。前半のうちにDFダビド・ルイスの退場により数的不利を被る苦しい展開だったが、それを打ち破ったのが63分に生まれたFWガブリエウ・マルティネッリの独走ゴールだった。
マルティネッリの走力には注目が集まっている。英『football.london』などで活躍するジャーナリストのチャールズ・ワッツ氏によれば、この試合でマルティネッリは、スプリント回数「26」を記録。チーム内でこれに次ぐのはアレクサンドル・ラカゼットとブカヨ・サカの11回で、実に倍以上の数値だ。
両チームで見てもチェルシーの最高回数はエメルソンの14回なので、いかにマルティネッリが走り回っていたかがわかる。守備に必ず戻るのもマルティネッリの長所のひとつで、この試合でも献身的だった。数的不利のうえ、慣れないポジションをこなさなければならなかったサカやグラニト・ジャカを助けようという意図もあったのだろう。
象徴的なのは73分のシーンだ。アントニオ・リュディガーからアンドレアス・クリステンセンへのパスがずれたところへ猛然とダッシュしプレスをかける。ボールを奪うには至らなかったが、すぐさま左サイドを猛スピードで戻り、カラム・ハドソン・オドイのサイドからの突破を止めている。試合終盤でも走力は衰えず、驚くべきスタミナを持っていることがわかる。
この試合のトップスピードを記録したのもマルティネッリで、34.11km/hだ。同点弾のシーンでも、チェルシーのエンゴロ・カンテがスリップしたのはラッキーだったが、その後も追走するエメルソンを寄せ付けなかった。スピードを維持したまま的確なタッチでゴール前までボールを運び、冷静にフィニッシュを決めている。およそ61メートルを走ったあとでも、シュートの正確さにブレはなかった。
驚異のスタミナとスピードで、その高機動ぶりを遺憾無く発揮するマルティネッリ。公式戦でのゴール数を10に伸ばしており、これで86分に1点を決めている計算となる。また、アーセナルでティーンエイジャーの選手が10ゴール以上を決めたのは、98-99シーズンのニコラ・アネルカ以来となる。
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