クリンスマンは韓国代表を“熱く戦う集団”へ変えるのか 評価されるのは戦術よりモチベーション

アメリカ代表では一定の成果を残しているクリンスマン photo/Getty Images

代表チームでの仕事では一定の評価を得ている

2018年からの4年間をポルトガル人監督のパウロ・ベントに託していた韓国代表は、その後任にドイツ人監督のユルゲン・クリンスマンを招聘。外国人監督の路線を継続することになった。

クリンスマンといえば現役時代にインテルやトッテナム、バイエルンといった強豪を渡り歩いてきた元ドイツ代表のレジェンドストライカーであり、知名度は高い。韓国がクリンスマンを招聘したとのニュースに関心を持ったサッカーファンは多いだろう。

ただ、指揮官としての手腕は何とも評価が難しい。指導者キャリアの始まりは2004年にドイツ代表監督を任されたところからだ。
独『Sport1』は、当時のドイツ代表ではオットマー・ヒッツフェルトやフース・ヒディンクといった経験豊富な指揮官たちが優先候補だったと振り返っており、いずれも合意に達しなかったことからクリンスマンに声がかかったと振り返っている。

それでもクリンスマンは自国開催となった2006年のワールドカップでチームを3位へ導いており、指導者キャリアの始まりとしては上々と言えよう。

しかし、クラブの方では思うような成績を残せていない。これまでバイエルン、ヘルタ・ベルリンを指揮してきたが、成功とは言い難い。現役時代に比べ、指導者としては評価が分かれる印象だ。少なくとも名将とは呼べないか。

ならば強みはどこにあるのか。同メディアは2011年から5年間指揮したアメリカ代表を例に挙げ、モチベーターとしての手腕を評価している。戦術的な話になると評価が分かれるのだが、選手のモチベーションを高める点においてクリンスマンは一定の評価を得ている。

アメリカ代表でも2013年のゴールドカップを制し、翌年のワールドカップではベスト16でベルギー代表と激闘を演じるなどアメリカサッカー界を大いに盛り上げた。ワールドカップのような短期決戦では戦術も大事だが、選手たちを勢いに乗せるモチベーターとしての側面も重要だ。これが韓国代表にもフィットするならば、日本代表にとっても厄介なアジアのライバルとなるかもしれない。

2024年にはアジアカップも控えている。ドイツ、アメリカでワールドカップを2回経験しているクリンスマンは代表での仕事に慣れているはずで、韓国をどう強化していくのか楽しみだ。

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