“74.1%”の勝率に107回のクリーンシート ペップ・マンCが魅せる圧倒的フットボール

トロフィーを手にするグアルディオラ photo/Getty Images

攻守両面でプレミアを支配する

猛追してくるリヴァプールのプレッシャーを感じながらも、マンチェスター・シティは今季のプレミアリーグを制した。獲得した勝ち点は93ポイント。2017-18シーズンに記録した勝ち点100、2018-19シーズンの勝ち点98には届かないが、それでもジョゼップ・グアルディオラ体制では3番目に多い勝ち点での優勝となった。

チャンピオンズリーグを制覇できていない部分を指摘されることもあるが、グアルディオラがプレミアリーグの歴史に名を残す特別な指揮官であることは間違いない。英『BBC』も改めて記録を振り返っているが、グアルディオラはマンCにて1試合平均2.35点の勝ち点を奪っている。これはプレミアリーグで100試合以上指揮した人物の中では名将アレックス・ファーガソン氏、現リヴァプール指揮官ユルゲン・クロップの2.16点を抑え、歴代トップである。ファーガソン氏とは試合数に大きな差はあるものの、グアルディオラの手腕が優れているのは確かだ。

勝率も74.1%に達しており、これも100試合以上指揮した人物の中では現トッテナム指揮官アントニオ・コンテ(65.4%)、クロップ(64.3%)を抑えて歴代トップだ。近年のプレミアは中堅クラブにも優れた選手が揃っていることから難しいリーグと評されるが、その中で70%を超える勝率を維持してくるあたりはさすがグアルディオラといったところか。
グアルディオラが就任した2016-17シーズンからマンCは1試合平均2.48ゴールを奪っており、これも同期間ではプレミアトップだ。リヴァプールでも1試合平均得点は2.18ゴールとなっており、このあたりはグアルディオラのチームらしく攻撃的だ。

加えて守備の安定感も見逃せない。2016-17シーズン以降のマンCは107回ものクリーンシートを達成しており、これもトップ。1試合平均失点0.8ゴールも最少で、1試合平均の被枠内シュート数も6.91本と最少だ。この守備の安定が負けない強さに繋がっており、リーグ戦で安定して勝ち点を稼ぐ体制が整っている。

中でも注目はセットプレイ対策で、PKを除けば今季のマンCはリーグ戦でセットプレイから1失点しか許していない。就任初年度の2016-17シーズンは9失点喫していたため、コーナーキックやフリーキックに対する対応は確実に改善されている。

セットプレイからの得点数も、今季は22ゴールを記録。これも就任初年度は半分の11ゴールとなっていたため、このあたりも進化している。

ここに来季はドルトムントからFWアーリング・ハーランドが加わる。機能するとの保証はないが、攻撃のオプションが増えるのは明らか。おそらくは来季もリヴァプールとのデッドヒートとなるはずで、勝ち点も90~100ほど稼がなければ優勝出来ないだろう。今季の安定した守備にハーランドの攻撃力がプラスされれば、マンCの勝ち点90超えは確実に目指せる数字となるはず。

果たしてマンCとグアルディオラは来季さらなる進化を見せてくれるのか。まだ優勝したばかりだが、すでに来季開幕が待ち切れない。

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