最終節は1アシストで勝利に貢献 元攻撃的MF・現左SBのジンチェンコは来季中盤や前線でプレイも?

最終節は途中交代から存在感を示したオレクサンドル・ジンチェンコ photo/Getty images

途中交代から素晴らしい存在感を放った

アストン・ヴィラに劇的勝利を収め、2季連続でのリーグ優勝を決めたマンチェスター・シティ。終わってみれば3-2の勝利となったが、難しいゲームであったことは間違いない。

それを変えたのは指揮官であるジョゼップ・グアルディオラの交代策だ。後半スタートからオレクサンドル・ジンチェンコ、次にラヒーム・スターリング、最後にイルカイ・ギュンドアンを投入している。ジンチェンコはロドリのゴールのアシスト、スターリングはギュンドアンのゴールのアシスト、ギュンドアンは2ゴールと大活躍だった。

2点のギュンドアンは素晴らしかったが、ジンチェンコの活躍も見逃せない。前半はジョアン・カンセロが左サイドバックを務めていたが、プレッシャーなのかいつものようなトリッキーなプレイが見せられず、守備では不安定と攻守において強度の高さを失っていた。

だが、ジンチェンコが入ると積極的に高い位置をとって攻撃を活性化。クロスやドリブルでのボックス内侵入など好機を連続で生み出し続け、チームをけん引している。そして決定的だったのが、ロドリへのパスだ。左サイドから上手く自身のマークをついていたエミリアーノ・ブエンディアをかわし、マイナスにパスを供給している。相手の守備ブロックを崩す際に必要な個の力を発揮しており、味方のゴールをお膳立てした。

今季のジンチェンコは昨季に比べ、パッとしなかった。その大きな要因となっているのは母国ウクライナの現状だろう。ロシア軍からの侵攻を今も受けており、解決には至っていない。それでも、ピッチに立ち続け、このヴィラ戦ではチームの救世主となった。コンディション調整は難しいと想像できるが、彼のプロフェッショナルな姿勢には脱帽だ。

まだ25歳と若いジンチェンコだが、今後はどのポジションでプレイするのだろうか。今でこそ左サイドバックの選手だが、シティ加入当初は攻撃的なMFという立ち位置だった。そこでジンチェンコは自らコンバートを希望し、今の地位を築いている。

このコンバートは正解だった。ジンチェンコの戦術理解度、技術の高さはシティでも際立っており、ヴィラ戦では個の力で得点に関与している。45分しかプレイしていないが、3度のドリブル成功に、2本のキーパスを記録しており素晴らしい攻撃力だ。だが、守備面で弱さを露呈する場面は多く、レアルとのCLではカリム・ベンゼマにしっかりマークにつきながらも失点を許している。これはまだ噂の段階だが、シティはブライトンの左サイドバック、マルク・ククレジャに興味を示しているようだ。獲得となればジンチェンコのライバルは増える。

これは希望的観測だが、中盤、もしくは前線での起用は一つのオプションとして見てみたい。サイドバックと中盤では相手からのプレッシャーの受け方は違うが、スキルの高さはすでに証明されている。特にサイド攻撃は絶品であり、試す価値はある。もし、ギュンドアンが移籍することになればフェルナンジーニョに続いて一気に2人の実力者がチームから去ることになるため、可能性としてはゼロではない。

今季は終盤にコンディションを上げ、最終節では大仕事をやってのけたジンチェンコ。非常に特殊な選手であり、来季はそのユーティリティ性を生かす年になるか(データは『SofaScore』より)。

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