今回のメンバーで唯一欧州以外からの招集
オランダ代表を指揮するルイ・ファン・ハールは名将だが、独特の哲学を持った人物でもある。アヤックス、バルセロナ、バイエルンなど名門を指揮した際にも大胆な選手起用を見せることがあり、若手の抜擢も積極的だ。
そんなファン・ハールの人選が再び注目を集めている。オランダ代表は6月にネーションズリーグでベルギー、ウェールズ、ポーランドと対戦する予定になっており、それに向けた代表メンバー候補が発表されたのだが、そこで1人だけ欧州リーグ以外から選ばれた人物がいる。
メキシコのモンテレイでプレイする27歳のFWフィンセント・ヤンセン(27)だ。
名前を知っている人は多いだろう。オランダのAZでプレイしていた2015-16シーズンにはエールディヴィジ得点王に輝き、トッテナムでプレイしたこともある。しかしトッテナムでは思うような結果を残せず、2019年からは活躍の場をメキシコ・モンテレイに移している。
この人選にはオランダ『Soccernews』も大きな驚きを提供したと取り上げており、実際ヤンセンは2017年の10月に行われたワールドカップ欧州予選のスウェーデン戦が最後の代表戦となっている。約5年も前のことになり、5大リーグを離れているヤンセンを再び招集するとは驚きだ。
しかも、今季のヤンセンはメキシコ国内リーグでも27試合で3得点1アシストとそこまで結果が出ていない。モンテレイでの通算成績も93戦23得点5アシストとなっており、まだエールディヴィジ時代の方が結果は出ていた印象だ。
当然この人選には意味があるのだろうが、ファン・ハールにはどんな意図があるのか。他に今回のメンバーではバルセロナのメンフィス・デパイ、ルーク・デ・ヨング、ビジャレアルのアルノー・ダンジュマ、バーンリーのボウト・ベグホルストらがFW登録で選ばれており、彼らは前線中央に入れる選手だ。ここは決して層が厚いとは言えないポジションだけに、ワールドカップまでに何らかのサプライズが起きても不思議はないか。その第一弾がヤンセンと考えることもでき、ヤンセンにとってはまたとないチャンスだ。
ちなみに、今回のメンバーにはパリ・サンジェルマンで苦戦するMFジョルジニオ・ワイナルドゥムは入っていない。所属クラブでの結果次第で人選は変わっていくはずで、ファン・ハールの下では昨夏のEURO2020からメンバーがガラリと変わっていくことになるかもしれない。