日本人選手が所属するチームには何とか1部に残ってほしいところだが、ドイツではMF奥川雅也の所属するアルミニア・ビーレフェルトが追い詰められている。
16位とブンデスリーガ降格圏に位置するアルミニアは、今節ヴォルフスブルクに0-4で完敗。13位に位置するヴォルフスブルクも残留を争うライバルだったのだが、アルミニアの守備は崩壊してしまった。
まだ残留の可能性が消えたわけではないが、アルミニアの場合は残り5試合のスケジュールがなかなか厳しい。何と言っても次節は17日に首位バイエルンをホームに迎えることになり、ここで勝ち点を拾うのはかなり難しい。
翌週には8位ケルンのホームに乗り込むが、ケルンも厄介なチームだ。さらに最終節では4位ライプツィヒとのゲームも残っている。ライプツィヒは指揮官にドメニコ・テデスコが就任してから調子を上げており、戦力的にも厳しい戦いだ。
アルミニアが勝ち点をゲットするなら、30日の17位ヘルタ・ベルリン戦と5月6日の12位ボーフム戦か。ここでは確実に勝ち点が欲しい。
ただ、『90min』はアルミニアの現状と残りのスケジュールには希望が薄いと悲観的で、降格が現実味を帯びてきたと見ている。
チームが降格となれば残念だが、その際に気になるのは奥川だ。これだけ苦しいチーム事情ながら、奥川は今季ブンデスリーガで8得点を記録している。チーム得点数が23点となっているため、その三分の一を奥川が担っていることになる。この得点感覚は高く評価されるべきだろう。
25歳と中堅世代に入りつつあることを考えると、来季2部で過ごすのはもったいない。理想としてはドイツ1部の他クラブへ向かい、もう少し攻撃的なチームでブンデス二桁得点を狙いたい。チームスタイルさえフィットすれば、奥川には二桁得点を狙うだけの力があるはずだ。そしてそれは日本代表への扉を開くことにもなる。
2列目から空いているスペースへ顔を出し、得点に絡むセンスは日本人選手の中でもトップクラスだろう。ペナルティエリア内での動きはドルトムントで活躍した香川真司を思わせる部分もある。決定力も高く、少ないチャンスをモノにできることもアルミニアで証明済みだ。
今年のカタール大会では難しくとも、奥川は次の4年間に向けて代表の主役になってほしい選手の1人でもある。そのためにも5大リーグの1部でプレイを継続してほしいところで、今夏は奥川にとっても重要な夏となりそうだ。