“シュバインシュタイガー2世”とはなれずに終わるのか バイエルンに戻れぬ男の苦悩

バイエルン期待のMFとして注目されていたファインだが…… photo/Getty Images

今季は最下位チームでの試合に出れず

数年前まではバイエルン・ミュンヘンが抱えるホープのひとりとして認識されていたはずだが、気がつけば22歳。いつしかMFジャマール・ムシアラ(18)のような後輩に先を越され、今では少しばかりバイエルンでの未来が見えづらくなってしまった選手がいる。

その選手とはMFアドリアン・ファインだ。少し前までは、近い将来バイエルンの中盤に欠かせない存在になると期待されていた同選手。攻守に奮闘できる万能MFということから、かつては各方面から“バスティアン・シュバインシュタイガー2世”と呼ばれるほどだった。

しかし、現時点におけるファインのキャリアは停滞気味。まだバイエルン所属の選手ではあるものの、ここ最近の彼は武者修行先でなかなか結果を出すことができていない。19-20シーズンまでに向かった2クラブでこそまずまずの出場機会を得ていたものの、昨季レンタルされたエールディビジのPSVではスタメン出場がわずか5試合という結果に。もうそろそろバイエルンに戻して使ってみるのもアリか。そんなタイミングでファインは躓いてしまったのだ。
そして、その嫌な流れは今季も続いている。21-22シーズン前半戦は同じブンデスリーガのグロイター・フュルトに貸し出されたファインだが、先発出場はなんとゼロ。リーグ最下位のチームでベンチにすら入れない試合も多く、12月以降はほぼチームの構想から外されていたと言っていい。その状況を受け、冬の移籍市場で彼はブンデス2部のディナモ・ドレスデンへとレンタル先を変更することとなっている。

かつてはバイエルンの未来を担う存在になるかもしれないと期待されていたが、現状は非常に厳しいと言わざるを得ないファイン。はたして、22歳の中盤戦士はここから再びその評価を上昇させることができるのか。このまま“消えた逸材”にはなってほしくないが、その運命やいかに。

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