アヤックスではもう試合に出られない? 帰ってきた守護神が立たされる苦境

現地時間7日のゴー・アヘッド・イーグルス戦で久々のベンチ入りを果たしたオナナだが…… photo/Getty Images

ドーピング違反の出場停止が明けるも……

ドーピング違反で約9カ月間の出場停止処分を受けていた守護神は、はたしてここから定位置を奪い返すことができるのか。アヤックスに、頼れる守護神が帰ってきた。

その守護神とは、2018-19シーズンにチームのチャンピオンズリーグ・ベスト4進出にも貢献したカメルーン代表GKアンドレ・オナナ(25)だ。同選手は昨年10月30日、妻に処方されていた薬を間違えて服用。その後の尿検査で禁止物質が検出されたために、今年2月5日から欧州サッカー連盟(UEFA)よりドーピング違反の出場停止処分を科されていた(期間は9カ月間)。

とはいえ、今月にはその処分も明け、ようやくオナナは公式戦への出場が可能となった。今まで試合に出ることができなかった分をここから取り返す。きっと、彼はそう意気込んでいることだろう。だが、そううまく事が運ぶとも限らない。オナナは優秀なGKだが、アヤックスのゴールマウスを守っているベテラン守護神は今季絶好調なのだ。
そのベテラン守護神とは、今月38歳の誕生日を迎えるGKレムコ・パスフェール。もう“アラフォー”と呼んでいい年齢の同選手だが、2021-22シーズンは新天地となったアヤックスで大躍動中。鼠径部の手術を受けるにあたり戦列を離れた元オランダ代表GKマールテン・ステケレンブルフ(39)に代わって9月から正守護神の座に就いたパスフェールは、ここまで抜群の安定感を見せている。データサイト『Sofa Score』によると、リーグ戦の出場9試合で記録しているセーブ率は驚異の96.4%。この数字はエールディヴィジでプレイするGKのなかでもダントツというのだから恐ろしい(2位はユトレヒトGKマールテン・パエスの73.5%)。

こうしたパスフェールの好調を考慮すると、オナナが再びレギュラーポジションを掴むのは少し厳しいと言わざるを得ないか。ベテラン守護神がほぼ完璧なパフォーマンスを披露している以上、アヤックスに守護神を変えるメリットはない。加えて、オナナは契約満了による今季限りでの退団が濃厚となっている状況。それもまた、彼の実戦復帰を妨げる大きな障害となるだろう。久しぶりに試合出場が可能となったものの、25歳の守護神に立ちはだかる大きな壁。カメルーン代表GKはまだしばらく厳しい時間を過ごすこととなりそうだ。

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