[MIXゾーン]G大阪に感じた“怯え” 連戦と酷暑が生む重圧がのしかかる

試合後に反省の弁も口にした昌子 photo/Getty Images

鹿島は監督不在も見事な戦いぶり

「(裏に抜ける)ランニングをしていないわけではないと思うが、そこにシンプルに入れていくというところで、今日は圧力がサイドにもかかっていたのかなと。それでもシンプルに背後に狙って押し込んでというところはやっていかないと、こういうゲームになってしまうと思う」

 松波監督がいう「こういうゲームになってしまう」という言葉を使ったように、G大阪には非常に厳しい試合になった。何よりホームのG大阪は中2日、一方アウェイの鹿島は中12日とコンディションに格段の差がある。そしてそれは90分、ずっと影を落とし続けた。加えてこの猛暑である。連戦に次ぐ連戦となったG大阪にとっては、いくつもの重圧が掛かり続ける。それがチームに『怯え』のようなものを生んだのかもしれない。

「少し後ろに重たかったし、なかなか良い形の攻撃が今日はあまり出ていなかったので、後ろが我慢する状況で我慢できなかったのは後ろの責任だと感じている。チームが良い流れでない時にはボールを大事にしようという意識が働いてしまうが、それを皆が思ってしまっているところが大きい。前半から鹿島はアグレッシブにきたが、しっかりとボールを持ってはがせばフリーでボールを持てるのに、蹴ってしまっているところが様々なポジションであった」(CB昌子)

 体調不良でチームに帯同しなかった相馬監督に代わって試合の指揮を執った鹿島のパシェココーチは「相馬監督がずっと準備してきたところをずっとやり続けた。縦を意識する、コンパクトにする、相手のスペースを使うというところで組み立てもできたし、うまく機能していたと思う」と振り返った。

 ゲームの主導権を握り続け、相手を押し込んだものの、一方でG大阪の守備の網を破れず決定打を欠いたともいえる展開だった。65分に途中起用されたMF荒木は「難しいゲーム展開で自分たちが出るなというのは予想できていた」とFWアルトゥール・カイキとセットでピッチに送りだされ、72分に荒木のアシストでアルトゥール・カイキがこの試合唯一のゴールを決めることになった。

「俺がボールを持って前を向いた瞬間に前に走り出せと伝えていて、ふたりで点を取ろうといっていた。それで決められたので良かった」(荒木)

「ハーフタイム(のアップ)でベンチに戻る時に荒木と話していて、動き出して欲しいといわれた。スペースに走ればそこにパスを出してあげると。あの場面でFWエヴェラウドがマークを引きつけてくれたので大きなスペースができ、そこで荒木からパスがきた。あとは決めるだけだった」(アルトゥール・カイキ)

 会心の一撃が必死に守備を固めていたG大阪を打ち砕いた。

 ボランチで起用されたG大阪の倉田は「最後の自陣の深いところで今日はボールを取れなかったので、そこから出ていくのは苦労した」と厳しい戦いだったと認めた。

 結局試合はアウェイチームが主導権を渡すことなく逃げ切ることに成功した。相馬監督の不在も「パシェコは結構チームの中でも盛り上げ役をよくするので、監督代行という立場になって、相馬さんが来られなくなってもチームがうまく良い方向にいく雰囲気を作ってくれた。チームも一体感が出て、相馬さんのためにも、チームのためにも、ひとつの家族として戦おうとパシェコからいわれ、その気持ちをピッチで表現できたと思う」(荒木)

 不安を感じさせない鹿島の見事な戦いぶりだった。

 逆にG大阪は地獄の連戦はまだ始まったばかりに過ぎない。酷暑の中で次の戦いはすぐやってくる。

文/吉村 憲文

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