南野、中島、堂安は苦戦した 鎌田大地はどこへステップアップすべきか

フランクフルトで評価を高める鎌田 photo/Getty Images

出番を失えば来年のW杯へピンチ

2018年のワールドカップ・ロシア大会以降、日本代表の前線は勢力図が大きく変わった。森保ジャパン発足と同時に頭角を現したのは南野拓実、堂安律、中島翔哉の3人で、彼らが構成する2列目は新たな三銃士とも評された。

しかし、今ではその勢力図も変わろうとしている。2列目で急速に評価を高めているのは、フランクフルトでポジションを掴んだMF鎌田大地だ。

昨季はブンデスリーガにて12アシストをマークしており、今ではブンデスリーガを代表するチャンスメイカーの1人だ。今夏にはセビージャ、トッテナム、ミランなど欧州の強豪が関心を示していると言われており、ステップアップのチャンスが手の届くところまできている印象だ。
ただし、大切なのはここからだ。前述した南野、堂安、中島も同じく欧州で結果を残していたが、彼らはステップアップにつまずいたところがある。南野はリヴァプールで出番を掴めず、堂安もPSVでは挫折を味わった。中島もFCポルトに移籍してからは迷走しているところがあり、代表でも不動の存在ではなくなりつつある。

海外組が増えているのは日本代表にとってポジティブなものだが、まだ香川真司や本田圭佑ら先輩の世代を超えたとは言い切れないだろう。真の評価を得るには、やはり欧州の強豪で結果を出す選手が必要だ。その壁を突破出来ている現日本代表選手はまだ少ない。

ステップアップという意味では、昨季レアル・マドリードからビジャレアルにレンタル移籍したMF久保建英も小さな挫折を味わっており、海外組の攻撃陣には燻っているところもある。

鎌田はフランクフルトで十分な実績を残しており、ステップアップするにふさわしい選手だ。しかし、ワールドカップ・カタール大会はもう来年だ。新天地で出番を失うようなことがあれば、代表での定位置も危うくなってくる。それは鎌田にとっても、日本代表にとってもネガティブなことだ。

ワールドカップで勝つためにはビッグクラブで結果を残す海外組に出てきてほしいところだが、鎌田はどうステップアップしていくべきなのか。上手くいけば森保ジャパンでも攻撃の中心となれる逸材だけに、出場機会の確保を含め慎重な判断が求められる。

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