東京五輪世代の中心選手であり、A代表の方でも主力になれるだけの素質を備えるMF堂安律は、どこで新シーズンを迎えるのか。
堂安は2019年夏にオランダの強豪PSVに移籍したものの、若手とのポジション争いもあって出番が増えず、2020-21シーズンはブンデスリーガのアルミニア・ビーレフェルトにレンタル移籍していた。
アルミニア・ビーレフェルトでは印象的なパフォーマンスを見せており、持ち前のドリブルはブンデスリーガでも通用していた。このままブンデスリーガのクラブでプレイするのも1つの手だったはずだ。
ただ、アルミニア・ビーレフェルトは堂安の買取を断念。行き先が注目を集めていたのだが、オランダ『ED』によればPSVの指揮官ロジャー・シュミットは堂安を攻撃オプションの1つと考えているという。
「彼は五輪の後に戻ってくると思う。彼はチームでチャンスを掴みたいと考えている」
問題は、PSVで出番を確保できるかどうか。最近はライバルのアヤックスと少し差がついているが、それでもPSVがオランダの強豪であることは間違いない。欧州カップ戦を経験するチャンスもあり、国内リーグでも確実に上位争いを経験できる。出番を確保できるならば、所属元のPSVでもう一度トライするのも悪くない。
ライバルとなり得るのは、EURO2020を戦ったオランダ代表メンバーにも選出されていた22歳のコーディ・ガクポ、将来が期待されている19歳のモハメド・イハッタレン、さらにドルトムントがジェイドン・サンチョの後釜に狙っていると噂される18歳のノニ・マドゥエケ、またニュージーランド代表の26歳MFライアン・トーマスも時折2列目の右サイドを担当している。
トーマスを除けば全員堂安より若く、やはりPSVが誇る若手たちは恐ろしい。2列目のポジション争いは激しく、アルミニア・ビーレフェルトで結果を出した堂安でもポジションを確保できるかは怪しい。ガクポ、マドゥエケは堂安と同じレフティーということもあり、右のウイングを狙う場合は強烈なライバルとなるか。
とはいえ2020-21シーズンよりPSVはロジャー・シュミット体制に変わっているため、シュミットの下では堂安の序列が変わる可能性も考えられる。PSVで成功を収めればビッグクラブからの注目も集まってくるはずだが、エールディヴィジの上位クラブで結果を残す道に堂安は再び挑むのか。アルミニア・ビーレフェルトで良い感触を掴んだ状態で代表に合流しているだけに、願わくば新シーズンも出番を確保できるクラブでプレイしてほしいところだ。