ここまで白星なし
初戦のスウェーデン戦は917本、第2戦のポーランド戦では707本のパスを回すなど、スペイン代表はEURO2020でもゲームを支配できている。
しかし、勝ち点3が奪えない。スウェーデン戦はスコアレスドローに終わり、ポーランド戦も1-1で引き分けてしまった。ボールは保持しているのだが、思うようにチャンスを演出できない。
何か攻撃にアクセントが欲しいところだが、思い切ってシステムを変えるのはどうか。
『EuroSport』も注目しているが、オプションとなり得るのがスウェーデン戦とポーランド戦の両方で出番がなかったウォルバーハンプトン所属FWアダマ・トラオレだ。
トラオレは流れを変えるジョーカー的存在だが、3バックにシステムを変更して右のウイングバックで先発させるプランもある。
左サイドには攻撃的なジョルディ・アルバがいるため、左のウイングバックにアルバ、右にトラオレを配する[3-5-2]、あるいは[3-4-3]ならば攻撃に厚みを加えることが出来るのではないか。トラオレはEURO2020に参加している中でも最速に近いスピードを備えている選手で、縦への推進力が増すのは間違いない。
トラオレをウイングバックに置けば、マルコス・ジョレンテの起用法も変えられる。ジョレンテはここまで右のサイドバックを担当してきたが、ジョレンテは今季リーガ・エスパニョーラで12得点を挙げるなど攻撃力が開花した中盤のプレイヤーだ。サイドバックより高い位置で起用した方が攻撃性を活かせるはず。インサイドハーフの位置でペドリと並べて起用する案もある。
[3-5-2]ならばアルバロ・モラタ、ジェラール・モレノの2トップ起用もありだ。
代表監督ルイス・エンリケはスウェーデン戦とポーランド戦でほとんど同じ11人をピッチに送り出している。スウェーデン戦からの変更点はFWフェラン・トーレスの代わりにFWモレノを先発させただけだ。
ここまでの結果を考えると、最終節のスロバキア戦ではもう少し手を加えるべきだろう。サポーターも攻撃面の変化を求めているはずで、最後のゲームでは勝ち点3を得るためのアイディアに期待したいところだ。