絶対的存在から放出候補へ どうすればスターリングは蘇るのか

今後が不透明となっているスターリング photo/Getty Images

決定力は高いスターリング

2季ぶりのプレミア王者となったマンチェスター・シティ。それでも、CLでは念願のビッグイヤーを獲得できなかった。比較的今季はどの選手も好調を維持していたが、ラヒーム・スターリングには苦しいシーズンであったことは間違いないだろう。

2015年にリヴァプールからマンCに加入したイングランド代表FW。加入初年度から徐々にチームにフィットし、3年目には18ゴールとセルヒオ・アグエロに次ぐ得点源として活躍していた。

今季も左ウイングとして不動の地位を築いていたが、フィル・フォーデンの台頭により控えに回ることが多くなってしまった。それでも、チェルシーとのCLファイナルでは左ウイングとして先発を果たした。しかし、内容としては褒められたものではなく、フォーデンを使えば良かったなんて声も聞くほどだ。また、試合後にはアーセナルやトッテナムといったチームへの移籍報道があり、今夏の放出候補と言われている始末だ。

なぜこのようになってしまったのか。一つはボールを持った際の選択肢が少ないことが挙げられる。左ウイングがスタートポジションとなった場合は足元で受けることが多く、そこからのカットインが彼の武器だ。しかし、相手も研究済みであり、中央を切られている場合がほとんどで味方にリターンするしかなく左サイドが死んでしまうのだ。縦への突破を試みて欲しいが、カウンター以外で縦へドリブルしている場面は少ない。また、ボールを受ける際のトラップを狙われることが多く、そこからカウンターを受けるシーンが散見されている。そうなれば、縦への突破も期待でき、ボールロストが少なく、流動的にポジションを動かせるフォーデンが重宝されているわけだ。

ではどうすればよいのか。ここは一度、過去にフィットしていた右サイドでの起用はどうだろうか。2017-18シーズンでは勝ち点が100ポイント、得点数が106点と、まさに圧倒的なシーズンを送っていた。その際の3トップは左からリロイ・サネ、アグエロ、スターリングとなっており、両ウイングがペナルティエリア深い位置から中央へリターンパスを出して得点を稼いでいた。右サイドであればカットインは無くなるが、縦への突破が多くなり、深さが取れるため右サイドが機能不全に陥ることがないだろう。また、前述した18ゴールもこのシーズンだ。

とはいえ、リヤド・マフレズやフェラン・トーレスと右サイドを本職とする選手がいるため、試す機会は少ないが、不調のスターリングを救うには心機一転、別のポジションでプレイさせるのも面白いのかも知れない。

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