タスクの明確化で復調したチェルシーのダイナモ 守備職人としての本来の輝き

アトレティコ戦で抜群の存在感を発揮したカンテ photo/Getty Images

カンテはやはり守備の人 

1月の監督交代をキッカケに、調子を取り戻したチェルシーの勢いが止まらない。トーマス・トゥヘル監督の巧みな采配により、前ランパード政権のもとでくすぶっていた選手たちも息を吹き返しており、なかなか手のつけられないチームになってきた。

そんな中でも、相手チームにとって厄介なのは、チェルシーのダイナモであるフランス代表MFエンゴロ・カンテの復調ではないだろうか。ランパード政権1年目の昨季はシーズンの半分近くを怪我に悩まされた。今季前半も昨季から続くインサイドハーフとアンカーの併用によって様々なタスクを任されたせいか、プレイに迷いが見られることもあり、決して悪いわけではなかったが本来のパフォーマンスとは言えなかったのではないか。

しかし、トゥヘル監督が指揮官に就任すると、試合ごとに多少システム変更はあるものの、豊富な運動量と粘り強い守備に定評のあるカンテはダブルボランチの一角として固定。さらに、推進力のあるMFマテオ・コバチッチやビルドアップ能力に長けたジョルジーニョと組ませることで、守備に重きを置くタスクがはっきりとした。その結果、相手からのボール奪取にセカンドボールの回収、カンテが最も輝くといっても過言ではない“守備職人”としての本来のパフォーマンスを取り戻している。17日のアトレティコ・マドリード戦でも神出鬼没な動きで、あらゆるところでピンチの芽を摘み、脅威のボール奪取回数「13」を記録(『opta』より)。現在、リーガ・エスパニョーラで首位に君臨する強敵を苦しめた。

英『METRO』などによると、アトレティコ戦のカンテについてトゥヘル監督は「エンゴロがプレイすれば、運動量が豊富なため、選手が0.5人分増える。それは私にとって大きなプレゼントだよ。とても謙虚だし、ピッチで大きな手助けをしてくれる。彼を指導できて嬉しい」とコメント。クラブOBのジョー・コール氏も「彼は最高の状態に戻っている。センセーショナルだったよ。彼は適切な場所に、適切なタイミングでいることができる能力を備えている。選手たちは彼の周囲に居づらいんじゃないかな。2人の人が立っているようなものだからね」と話していた。

前線への顔の出し方などを見ても、ランパード政権での経験は攻撃面で少なからず活きてはいるだろうが、やはりカンテは守備の人。守備へのタスクを明確にすることが、カンテ本人としても、チームとしてもベストだったに違いない。また、カンテだけでなくマルコス・アロンソなどの起用法を見ても、選手たちの短所をうまく消しながら長所を最大限に活かすトゥヘル監督の手腕もさすがといったところだ。

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