なぜ可変システムを使わなかったのか トッテナムのマンC戦惨敗の原因は

マンCに3ゴールを奪われたトッテナム。ギュンドアン(写真奥)にサイドバックとセンターバックの間のスペースを狙われ続けた photo/Getty Images 

生じてしまった守備の綻び

現地時間13日にプレミアリーグの第24節が行われ、トッテナムがマンチェスター・シティに0-3で敗れた。

トッテナムを率いるジョゼ・モウリーニョ監督は、この試合で[4-2-3-1]という布陣を採用。GKはウーゴ・ロリス、最終ラインは右からジャフェット・タンガンガ、ダビンソン・サンチェス、エリック・ダイアー、ベン・デイビス。中盤はタンギー・エンドンベレとピエール・エミール・ホイビュルクの2ボランチに、ソン・フンミン(左)とエリック・ラメラ(右)の両サイドハーフ。トップ下にルーカス・モウラ、最前線にハリー・ケインが配置された。

一方、マンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督は、お馴染みの[4-3-3]の布陣を採用。GKはエデルソン、最終ラインは右からジョアン・カンセロ、ジョン・ストーンズ、アイメリック・ラポルテ、オレクサンドル・ジンチェンコ。アンカーにロドリ、インサイドハーフにベルナルド・シウバとイルカイ・ギュンドアンが配置され、3トップは右からラヒーム・スターリング、ガブリエウ・ジェズス、フィル・フォデンという並びになった。

自陣後方から丁寧にパスを繋いできたマンCに対し、トッテナムはルーカスとケインを横並びに置いた[4-4-2]の守備隊形で応戦。4バックと4人の中盤による計8人で、自陣バイタルエリアのスペースを消しにかかった。

試合序盤はマンCに決定機を作らせなかったものの、しだいにセンターバックとサイドバックの間にスペースができ、ここをマンC陣営に突かれ始める。特に右サイドバックのタンガンガと右センターバックのサンチェスの距離感が悪く、このスペースをギュンドアンやシウバ、及び逆サイドから流れてきたスターリングに狙われる場面が散見された。

そして迎えた前半20分、タンガンガとサンチェスの間のスペースに走り込んだギュンドアンが、敵陣ペナルティエリアに侵入。ボランチのホイビュルクが慌てて最終ラインに入ったものの、ペナルティエリア内でギュンドアンと交錯してしまい、PKを与えてしまった。

このPKをロドリが物にし、マンCが先制に成功(同23分)。堅守速攻のプランでマンCに挑んだトッテナムにとって、この1点は重くのしかかった。

トッテナムは後半開始から攻勢を強めたものの、同3分すぎより相手のパスワークに晒され、サンチェスがサイドに釣り出されたことによって生まれたスペースをギュンドアンに突かれて失点(同5分)。同20分すぎにはGKエデルソンのロングフィードがギュンドアンに渡り、同選手にだめ押しの3点目を奪われている。

ポゼッションスタイルのチームと対戦する際、特殊な可変システムで挑む傾向が強かった今季のトッテナム。[4-2-3-1]という布陣の2ボランチの片割れが相手ボール時に最終ラインに入り、トップ下の選手がボランチへ、両サイドハーフもボランチの列へ降りて[5-4-1]という布陣に変化するというものだが、この日のトッテナムのキックオフ直後からの守備隊形は[4-4-2]だった。

最終ラインを5人にすることの利点は、4バックでは空きやすいセンターバックとサイドバックの間のスペースを埋めやすいこと。4バックよりもピッチの横幅を満遍なくカバーでき、サイドチェンジをされても陣形が乱れにくいというメリットもある。モウリーニョ監督としては、自陣後方により多くの人を配置することでカウンターの威力が落ちることを懸念したのかもしれないが、可変システムを使わなかったことで守備に綻びが生じてしまった。

ポゼッションスタイルのマンCに対し、自陣ゴール前に“バスを停める”戦い方を選んだこと自体は理に適っていたが、キックオフから先制点を奪われるまでの守備隊形には疑問が残った。

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