間もなく2020年のJリーグが開幕します。今シーズンもたくさんの見所があるので、それぞれ紹介したいと思います。
横浜FMが連覇できるかどうか。選手の入れ替えがあった鹿島の巻き返しはあるのか。ACLに出場するFC東京、横浜FM、神戸がアジアの舞台でどのような成績を残すのか。J1に昇格した柏、横浜FCがどんな戦いをみせてくれるか。東京五輪による中断があるため、序盤戦はタイトなスケジュールとなっています。そうしたなか、勝点を積み上げるのはどのチームなのか。パッと考えただけでも、これだけのポイントがあげられます。その他、個人的に今シーズンのパフォーマンスを楽しみにしている選手たちがいます。
連覇を狙う横浜FMですが、アンジェ・ポステコグルー監督のもとコーチを務めていたピーター・クラモフスキーが、清水の監督に就任しました。この影響がどこまであるのか、シーズンを通じてしっかりと観察していきたいです。すでに各チームが横浜FMのサッカーを十分にスカウティングしており、対策を立てられたなか戦っていかなければなりません。
それでも、ポステコグルー監督は信念を貫くタイプです。ゼロックス杯では新戦力のオナイウ阿道がまだチームにフィットしていませんでしたが、遠藤渓太が投入された後半になってリズムを取り戻していました。Jリーグ連覇、ACL制覇のためには戦力の底上げが必要で、新しい選手がうまくチームにハマるかどうかがカギになりそうです。
優勝を争うチームとして、私はC大阪に期待しています。就任2年目を迎えるロティーナ監督のもと、失点が少ない組織的なサッカーに磨きがかかっていくはずです。加えて、豊川雄太を補強し、都倉賢がケガから復帰したことで攻撃力が増しています。質の高い選手が揃っているので、攻守のバランスが取れれば優勝も狙えます。
ザーゴ監督が就任した鹿島は、ガラッと変わりました。ハイライン、ハイプレスをベースに、5レーンを意識したスタイルを指向しています。システムは[4-4-2]で変わらないですが、各選手の立ち位置が違います。センターバックが開き、ボランチが後方へ。サイドバックが高いポジションを取り、中盤が中間ポジションを取る。こうしたサッカーが早い段階でチーム内に浸透すれば、面白い存在になりそうです。
チームがガラッと変わったのは、クラモフスキー監督を招聘した清水も同じです。失点が多かったなか、横浜FMのような攻撃的なサッカーを目指す指揮官を迎えました。ただ、攻撃と守備は表裏一体で、攻撃を強化する=守備力の強化にならないといけません。バランスが取れないと、苦戦するかもしれません。
移籍の噂があったGK中村航輔、FWオルンガがともにチームに残った柏は、キム・スンギュ、大南拓磨、呉屋大翔、神谷優太などの獲得に成功し、確実に戦力を高めています。Jリーグを知り尽くした勝負師ネルシーニョのもと、彼らが機能すれば上位に食い込む可能性があります。あるいは、昇格1年目に優勝した2011年の再現があるかもしれません。
一美和成、手塚康平といった選手を補強した横浜FCも戦力を高めています。J1初挑戦となるイバがどれだけ活躍できるかなど、注目点の多いチームです。経験ある選手が多いのが特長で、シーズンを戦い抜くには若手の底上げが必須でしょう。ベテランと若手の融合がポイントになってくると考えています。