自身が好むスタイルに固執しすぎているなど批判を浴びることもあったが、チェルシーを指揮するマウリツィオ・サッリはプレミアリーグ3位、ヨーロッパリーグ優勝と見事な成績を残して1年目を終えた。シーズン中盤に苦しい時期はあったものの、全体的に見ればサッリの仕事は成功と言っていいだろう。
今回のヨーロッパリーグ優勝を受け、英『Squawka』はロマン・アブラモビッチ氏がオーナーに就任してからのチェルシー歴代指揮官ランキングを作成。これまでチェルシーでは数多くの名将が指揮を執ってきたが、サッリは何位にランクインしたのだろうか。
10位:クラウディオ・ラニエリ(2000~2004)
9位:アブラム・グラント(2007-08)
8位:ラファエル・ベニテス(2012-13)
7位:マウリツィオ・サッリ(2018~)
6位:フース・ヒディンク第一次政権(2009)
まず10位から6位だ。10位のラニエリは、伝説のチームを作り上げるアシストをしたと言える指揮官で、DFジョン・テリーを積極的に起用したり、2001年にはフランク・ランパードも獲得。彼らを伸ばしたことがその後の成功に繋がった。9位のグラントはジョゼ・モウリーニョに代わって指揮官に就任し、2007-08シーズンにはチャンピオンズリーグ決勝まで駒を進めることに成功した。モウリーニョの遺産を活かしたとも言えるが、チャンピオンズリーグ決勝進出はクラブにとって大きな一歩だった。
8位のベニテスはサポーターから愛されていたとは言い難いが、クラブをヨーロッパリーグ制覇に導いている。今回ヨーロッパリーグ制覇を果たしたサッリも1つ上の順位に選ばれており、結果だけを見ればベニテスと似たようなフィニッシュとなった。
6位のヒディンクが指揮を執ったのは3か月ほどだが、ヒディンクは困った時に頼る便利屋のような存在になっていた。2009年2月から3か月指揮を執り、FA杯を制覇。さらにチャンピオンズリーグでも準決勝でバルセロナをあと一歩のところまで追いつめた。短期間でチームをまとめ上げた手腕は見事だ。
5位:ロベルト・ディ・マッテオ(2012)
4位:ジョゼ・モウリーニョ第二次政権(2013~2015)
3位:アントニオ・コンテ(2016~2018)
2位:カルロ・アンチェロッティ(2009~2011)
1位:ジョゼ・モウリーニョ第一次政権(2004~2007)
5位のディ・マッテオも担当した期間は長くなかったが、奇跡のチャンピオンズリーグ制覇を果たした人物だ。当時はまさに奇跡の連続といった勝ち上がり方だったが、それでもチャンピオンズリーグを制したことに変わりはない。チェルシーの歴史に名を刻んだ特別な指揮官だ。
4位と1位にはモウリーニョが入ってきた。やはりアブラモビッチ時代を語るうえでモウリーニョは外せない存在で、チェルシーを真の強豪へと進化させた。特に2004-05シーズンに作り上げたシーズン15失点のチームは、プレミアの歴史に名を刻むものだ。
3位にはコンテだ。終わり方は残念だったが、就任1年目には3バックを駆使してプレミア制覇を達成。前のシーズンにモウリーニョ率いるチェルシーはリーグ戦順位を10位まで落としていたのだが、コンテは1年目からいきなり優勝を果たしてみせた。
最後の2位はカルロ・アンチェロッティだ。モウリーニョとコンテが手堅い守備のチームとするなら、アンチェロッティはの作ったチームは超攻撃的だ。ニコラ・アネルカやディディエ・ドログバを駆使し、リーグ戦103得点を達成している。あのような破壊力抜群のチェルシーをサポーターも求めているに違いない。
サッリは今季限りでチェルシーを離れるとも言われているが、来季サッリ・ボールをチャンピオンズリーグの舞台で見てみたい思いもある。今季は失敗ではなく成功のシーズンということで間違いないだろう。