今回は相手が悪かったか
レスター・シティに所属するFW岡崎慎司は、これまで何度もライバルとのポジション争いに勝利してきた。クラブは岡崎以上のアタッカーを獲得しようと動くのだが、結局レスターの最終的な答えは岡崎になるのだ。
ただ、今回ばかりはライバルを称えなければならない。昨夏ノリッジ・シティから加わったMFジェイムズ・マディソンだ。22歳のマディソンはFWの選手ではないため、岡崎とは特長が大きく異なる。しかしレスター前指揮官クロード・ピュエルはエースのジェイミー・バーディの能力を引き出せる司令塔を欲しがり、トップ下にマディソンを配することを好んだ。これで岡崎とバーディの2トップは解消され、岡崎の出番は激減することになってしまった。
岡崎にとっては悔しい結果だが、マディソンのスタッツを考えれば仕方がないのかもしれない。地元紙『Leicester Mercury』によると、マディソンは今季94本ものチャンスメイクを記録しているのだが、これはアタランタMFアレハンドロ・ゴメスに次いで欧州五大リーグで2番目に高い数字だという。バルセロナFWリオネル・メッシでも今季のチャンスメイク数はマディソンより8回少ない87回に留まる。
チェルシーMFエデン・アザールでも89回に留まっていることを考えると、マディソンは今のプレミアリーグで最もチャンスを提供できるMFと言ってもいい。昨夏プレミア・チャンピオンシップ(イングランド2部)のノリッジから2000万ポンドもの移籍金でレスターにやってきた時は、2部の選手としては移籍金が高すぎるのではないかとの意見もあった。しかしマディソンはそうした疑問を1シーズンで振り払ってみせた。7得点6アシストの数字も十分なものだろう。
岡崎はなかなか先発の機会を与えられなくなったが、マディソンのパフォーマンスを見れば納得せざるを得ない。マディソンは今季プレミアリーグで最もヒットした若手新戦力と言っていいはずだ。