名将への道歩む『クロップの弟子』 ジェラード率いるレンジャーズが凄い!
レンジャーズを指揮するジェラード photo/Getty Images
セルティックを猛追
フランク・ランパードはダービー・カウンティを指揮し、ジョン・テリーはアストン・ヴィラのアシスタントコーチを務めるなどイングランドの黄金世代と呼ばれた者たちが続々と指導者の道を歩み始めている。
その中でも大成功を収めているのがスティーブン・ジェラードだ。今夏よりスコットランドの古豪レンジャーズを指揮するジェラードは、ここまで見事な働きを見せている。
レンジャーズは以前セルティックと並んでスコットランドを支配する存在だったが、2012年に破産して4部からの再出発を余儀なくされたことから戦力が低下。いつしかスコットランドはセルティックの一強状態となっていた。その状況を打破するのがジェラードに課せられたミッションだが、ここまでは非常に順調だ。
リーグ戦では12試合終了時点で勝ち点24を稼いで3位につけており、勝ち点26の首位セルティックを追いかけている。何より注目すべきはレンジャーズの攻撃力で、ここまでリーグトップとなる32得点を挙げている。先日7-1で勝利したマザーウェル戦で荒稼ぎしたところはあるが、それでもリーグで唯一30得点を超えている攻撃力は称賛されるべきだろう。
さらにヨーロッパリーグでは勝ち点5を稼いでグループステージ3位につけ、同じ勝ち点5で2位のスパルタク・モスクワ、勝ち点6で首位のビジャレアルを追いかけている。この勝ち点差ならば、残り2試合で十分にひっくり返すことが可能だ。決勝トーナメント行きも夢ではない。
ジェラードは就任1年目から手腕を遺憾なく発揮しているわけだが、やはりその成功の裏にはリヴァプール指揮官ユルゲン・クロップの教えがあるのだろう。英『sky SPORTS』によると、ジェラードも指導者の道を本格的に目指し始めた頃よりクロップを手本としてきたようだ。
「私はスポンジのようだったよ。見て、学んでね。テレビでユルゲンがどう状況に対処するのか見ていた。それに彼にメールや電話を入れると、彼はいつだって時間を取ってくれたからね」
ジェラードはこのように語っており、指導者の師匠的存在としてクロップをリスペクトしている。今季はセルティックの勢いがやや鈍いところもあり、レンジャーズにもリーグ制覇のチャンスはある。ここまでは大成功と言えるが、クロップの弟子ジェラードは1年目からタイトルに届くか。