サッカー界は野球のMLBから見習うべき? CWC中に外国人記者が見たピリピリのサッカーとハッピーな野球の違い「ファン同士の衝突もなく、お祭り気分」

ヤンキースとメッツのゲームは盛り上がりを見せた photo/Getty Images

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サッカーのダービーは激しすぎるところもある

先月14日よりアメリカでスタートしたクラブワールドカップ2025。各大陸から32のクラブが集結することになったわけだが、アメリカに集まったのは選手やクラブ関係者だけではない。各国のメディアもアメリカに集まっており、アメリカの文化に触れる1カ月となったのではないか。

スペイン『MARCA』にて、ジョエル・デル・リオ記者はアメリカ4大スポーツの1つである野球(MLB)を見た感想を記述している。同記者が観戦したのは、今月5日より行われていたメッツVSヤンキースのニューヨーク名門対決だ。3連戦のどのゲームを見たのかは分からないが、同記者はサッカーが見習うべき良い文化があったと取り上げている。

「NYでメッツとヤンキースのゲームを見た。伝統あるライバル同士の戦いということだが、私が見たのはピリピリとした緊張感や憎しみの声ではなく、スポーツの喜びだった。満員のスタジアムに集まった人たちは自チームの応援が第一ではあるものの、みんな何より楽しい時間を過ごそうとしていた。その姿勢に、欧州にいる我々がどれほど離れた存在かを痛感することになった」
「無数のファンが映し出される巨大スクリーン、観客へのグッズプレゼント、音楽、スタジアムDJが奏でるリズム、そして何より驚いたのは、ファン同士の境界線がないことだ。ビールを飲み、笑い合い、楽しんでいた。欧州のダービーでこんな光景を最後に見たのはいつだろうか。欧州はサッカーに魂を込めているが、同時にあまりに多くの怒り、恐怖、対立を抱えている。他のスポーツと同様に、スポーツとは人々の分裂ではなく、団結させるためにあることを我々は忘れてしまったようだ。サッカーに情熱を失ってほしくはないが、喜びを取り戻してほしいとは思う。スタジアムへ行くことが戦争ではなく、祝福の場であってほしいのだ」

「MLBではビールが自由に振る舞われ、人々は食べ物や飲み物を買おうと列を作る。試合が終われば公式ショップはグッズを探すファンで溢れ返る。これら全てがファン同士の衝突もなく、お祭り気分の中で起こるのだ。最後には誰もがスコアボード以上の何かを楽しんだとの満足感をもって家路につく」

野球とサッカーでは文化に違いがあるものの、確かにファン同士の衝突はサッカー界の方が目立つかもしれない。野球もヒートアップすることはあるものの、同記者が見たヤンキースとメッツのNY対決はハッピーな空気に包まれていたようだ。

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