豪州人監督ポステコグルーがELを制したことはアジアにとっても大きな一歩 アジアの指導者の評価は変わるか

ELのトロフィーを手にするポステコグルー photo/Getty Images

豪州からも称賛の声

トッテナムを指揮するオーストラリア人監督アンジェ・ポステコグルーは、当初から「2年目に強い」と口にしてきた。今季がトッテナムでの2年目だったわけだが、21日に行われたヨーロッパリーグ決勝でマンチェスター・ユナイテッドを1-0で撃破。言葉通り2年目にタイトルを手にした。

国内リーグは17位に沈む苦しいシーズンだが、トッテナムが待ち続けたタイトルをもたらしたポステコグルーは称賛されるべきだろう。

アジアサッカー界としても大きな一歩と言える。ポステコグルーはオーストラリア人監督であり、横浜F・マリノスやセルティックなどで経験を積んでトッテナムへとステップアップした。そこでELを制することになり、アジア人監督の評価を変える1つのきっかけとなるかもしれない。

オーストラリアの作家デイビッド・ワイナー氏も特別な功績だと絶賛する。

「オーストラリアのサッカーが世界の舞台に影響を与えたのだ。アンチが『リーグでは17位じゃないか』と言ってくるかもしれないが、オーストラリア人ならばこの偉業を味わってほしいと思う。オーストラリアのスポーツ界は才能ある選手を輩出してきたものの、その知識を世界規模で発信したり、特にサッカー界という巨大な世界で舵取りをした人物はほとんどいないのだ」(『Wide World of Sports』より)。

チームのアシスタントコーチには、オーストラリア代表でも長く活躍したミール・ジェディナクが入っている。40歳のジェディナクも指導者への道を歩み始めていて、ポステコグルーの弟子としてEL制覇を経験したのは大きな財産になるはずだ。

トッテナムがポステコグルー体制を継続するかは分からないが、EL制覇は大きな成果だ。最後には自身の哲学を曲げてまで守備的な戦いを選んでタイトルを手にしており、その決断力と手腕は評価されるべきだろう。

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