冬の移籍市場がクローズしたが、アーセナルは若手DFエイデン・ヘブンをマンチェスター・ユナイテッドに放出しただけで、獲得選手なしに終わった。懸念は最前線のストライカーで、ガブリエウ・ジェズスが負傷で長期離脱中。実質的に9番ポジションをカイ・ハフェルツのみでリーグ後半戦を戦うことになった。
英『Telegraph』は「弱体化は明白」だとアーセナルの後半戦に警鐘を鳴らしている。
「ジェズスの負傷により、アーセナルの前線が弱体化しているのは明白だ。例えば前線はハフェルツ、(ガブリエウ・)マルティネッリ、(レアンドロ・)トロサール、(ラヒーム・)スターリング、(イーサン・)ヌワネリのわずか5名。彼らの総移籍金は9000万ポンド。一方リヴァプールは、(モハメド・)サラー、(コーディ・)ガクポ、(ルイス・)ディアス、(ダルウィン・)ヌニェス、(ディオゴ・)ジョタ、(フェデリコ・)キエーザの6名で、2億3000万ポンドだ。タイトルを争うライバルと比べれば疑いなく、そして驚くほど軽い戦力に見える」
エースのブカヨ・サカも負傷中で、少なくとも3月までは戻ることができないと目されている。確かにアーセナルの前線は驚くほど軽量級で、サカらの負傷がなかったとしても点取り屋の存在が長いこと待望されていたほどだ。出ずっぱりのハフェルツには大きな負担がかかっており、ゴールを決めるだけでなくコンディションを維持し続けなければならない。
ミケル・アルテタ監督が語っていたとおり、この冬アーセナルは攻撃の選手の補強に動いていたようだ。アストン・ヴィラのオリー・ワトキンズにオファーしたが、ジョン・デュランの移籍によってヴィラはストライカーを放出するわけにいかず、移籍金も必要としなくなった。結局、アーセナルには誰も来なかった。
救いがあるとすれば、アーセナルは特定の誰かに頼って得点するタイプのチームではないということだ。リーグ2桁得点に達している者は誰もいないが、逆にどこからでも得点できるのがチームの強みであり、得点数は首位リヴァプールに次ぐリーグ2位。先日のマンチェスター・シティ戦で見せたように、チームとしての高い攻撃力を持ち合わせている。ハフェルツも今季公式戦33試合で15得点を記録しており、調子を上げてきた。
とはいえ、心許ない戦力であることに変わりはない。これ以上の負傷者は致命傷になりかねず、同紙も「これから数カ月、彼らはもっとも細い綱渡りをすることになる」と指摘している。アーセナルはシーズン終盤までリヴァプールを追いかけることができるだろうか。