プレミアリーグ審判が日本で見せた巧みなレフェリング 選手たちも「ストレスなくできた」

浦和×鹿島をさばいたアンドリュー・マドレイ氏 photo/Getty Images

最後まで試合をしっかりコントロール

4日、明治安田生命J1リーグ第16節が行われ、浦和レッズと鹿島アントラーズが激突。試合は、両チームともに均衡を破ることができず、スコアレスドローで終え、勝ち点「1」ずつを分けあった。

最後まで集中を切らさず、両チームの好守が際立つ展開となったが、この一戦で注目を集めたのはそれだけではない。主審のレフェリングだ。今回の浦和×鹿島は、日本サッカー協会の審判交流プログラムによって招聘されたアンドリュー・マドレイ氏(イングランド)が試合をさばくことに。普段、世界最高峰プレミアリーグで審判を務めていることもあり、そのレフェリングに注目が集まった。なお、マドレイ氏は今季、トッテナム×リヴァプールやトッテナム×マンチェスター・シティ、リヴァプール×マンチェスター・ユナイテッドなどの試合で笛を吹いている。

普段からプレミアリーグのビッグマッチで主審を務めているだけあって、日本のビッグマッチのひとつである今回の“レッド・ダービー”でも、試合をスムーズに進行させる。選手同士の接触プレイでも、笛を吹くところと吹かないところが明確で、試合の流れを読んでファウルをうまくを流すシーンもたびたび見受けられた。
試合終盤には、計4枚のイエローカードが飛び交うシーンもあったが、その際も毅然とした態度を貫く。ヒートアップした周囲の選手たちをなだめた上で、当事者の選手だけをしっかり呼び出して説明し、カードを提示する判断もさすがだ。プレイが止まった直後に少しいざこざを起こしていたGK早川友基とDF酒井宏樹には、余分なイエローカードが提示されたものの、周囲の選手たちもすぐに落ち着きを取り戻していたように思う。

過去の戦いを見てもわかる通り、浦和×鹿島は荒れた展開になることも多々ある。今回の一戦も緊迫した状態が終始続いていたため、ちょっとしたことをキッカケにトラブルが起きてもおかしくはなかったと思う。そのような中で、両チームの選手たちが最後までハイレベルな戦いをしきったこともあるだろうが、マドレイ氏は90分間、試合をしっかりコントロールしてみせたのだ。

実際に試合後、選手たちからはマドレイ氏のレフェリングを称賛する声が多く聞かれた。この一戦でフル出場を果たした鹿島DF関川郁万も「ストレスなくできました」や「言葉は通じませんでしたけど、これは取る、これは取らないという基準をしっかり伝えてくれていました」、「審判相手ではなく、対戦相手とちゃんと試合をできていると感じられました」などと述べていた。

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