バイエルンのサポーターにとって忘れられないチームとなっているのが、3冠を達成した2012-13シーズンのチームだ。
90minは『過去25年のバイエルンで最高の指揮官ランキングTOP10』なるものを作成しているが、1位は文句なしで2012-13シーズンのチームを指揮したユップ・ハインケスである。
両翼のフランク・リベリ、アリエン・ロッベンが攻撃の中心となり、DFフィリップ・ラーム、MFバスティアン・シュバインシュタイガーとリーダーシップも抜群。ダンテ、ジェローム・ボアテングを軸とした守備も安定していた。
何よりリーグ戦、DFBポカール、ドイツ・スーパー杯、チャンピオンズリーグを合わせ、54試合で33失点に抑えた守備が圧巻だ。攻守の切り替えが素早く、ボールの回収から攻撃の展開まで隙がない。シーズンの黒星も僅か3つだけという圧倒ぶりだ。
得点も54試合で151ゴールを奪っており、歴代最強バイエルンと言って問題ない。
3冠は現ドイツ代表監督ハンジ・フリックが途中より指揮した2019-20シーズンにも達成しているが、フリックのチームよりもハインケス時代は印象的か。
今月にはユリアン・ナーゲルスマンを解任し、トーマス・トゥヘルを指揮官に迎えた。バイエルンにとって国内の支配は当然のミッションであり、チャンピオンズリーグ制覇が最大の目標となる。再びの3冠を目指してハインケス級のチーム作成がサポーターの願いだろうが、その壁はあまりに厚い。10年前のバイエルンを超えるチームは完成するのか。その目標を追っての戦いは続く。