鎌田、堂安、久保らを日本代表でどう活かす? “スピード勝負”だけではない第2の選択肢を探す挑戦

ウルグアイ戦に先発した鎌田 photo/Getty Images

3人を活かすにはチームとしての崩しを磨くしかない

フライブルクMF堂安律、フランクフルトMF鎌田大地、レアル・ソシエダMF久保建英。今回のキリンチャレンジカップに臨む森保ジャパンには、欧州で活躍するタレントが揃う。ここで名前を挙げた3人も充実のシーズンを過ごしており、鎌田は今夏にもビッグクラブへのステップアップが噂される選手だ。

問題は、彼らの能力を代表でどう活かすかだ。24日には第二次森保ジャパンの初陣でウルグアイ代表と対戦したが、先発した堂安と鎌田は違いを生み出せなかった(久保は欠場)。

このゲームでは自分たちからボールを保持して相手を崩そうとの試みも見られたが、まだ形は完成していない。ウルグアイ戦では左の三笘薫、堂安に代わって途中出場の伊東純也が右サイドから違いを生んだが、両名とも1対1で勝負できる選手だ。彼らにボールを預けるだけで違いを生み出すことも可能で、2人の存在は大きい。
一方で堂安や鎌田は縦へのスピードで勝負するタイプではない。クラブと同様の活躍を引き出すには、チームの連携を高めるのが必須条件となる。そこが第二次森保ジャパンでの課題となるだろう。

コンディションの問題もあるだろうが、鎌田はカタール大会でも能力を100%発揮できていたわけではない。話題を集めたのは前述した三笘、あるいは前田大然やウルグアイ戦でも先発した浅野拓磨といったスピードスターたちだ。

ウルグアイ戦では鎌田に代わって投入された横浜F・マリノスFW西村拓真が最初のプレイで同点ゴールを奪ったが、運動量や縦への推進力では西村が鎌田を一歩リードする。鎌田のトップ下起用にこだわるならば、今の森保ジャパンにフィットしやすいのは鎌田より西村の方かもしれない。

カタール大会で持ち味を発揮できなかったのは久保も同じで、本人としては消化不良の大会になったはず。現在ソシエダで魅せているパフォーマンスは見事だが、あれもイマノル・アルグアシル率いるソシエダのスタイルがあればこそだ。久保も単純なスピード勝負を得意とするアタッカーではない。

カタール大会ではドイツ、スペインといった格上との対戦が続いたこともあり、必死に守ってカウンターへ繋げるスタイルを選ぶしかなかった。そのスタイルには伊東や三笘といった縦へ勝負できるアタッカーの方がフィットしやすい。

第二次政権では鎌田、久保といった才能を引き出し、より自分たちからボールを動かしていくスタイルも模索していくことになる。初陣のウルグアイ戦では身体能力に強みを持つ伊東や三笘といった選手が印象的だったが、今後どう鎌田や久保、堂安の才能をチームに合わせていくのか。1-1のドローに終わったウルグアイ戦は収穫より課題が見つかった一戦だった。

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