昨季勝ち点92を稼いでいたチームがいきなりトップ4圏外へ転落すると予想できただろうか。リヴァプールは現在10位と大苦戦している。
昨季は惜しくも2位フィニッシュだったが、4冠を狙える位置につけるなど充実のシーズンだった。国内においてはマンチェスター・シティとリヴァプールのレベルが圧倒的との評価だったはずだ。
しかし、突然何かの歯車が狂った。FWサディオ・マネの退団が1つのきっかけかもしれないし、主力プレイヤーの年齢による問題かもしれない。いずれにしても、指揮官ユルゲン・クロップは混乱したチームを立て直せていない。
英『The Sun』は、「クロップはチームの混乱がどれほど酷いものか過小評価していたのではないか」と問題視しているが、中でも疑問点に挙げられたのが補強プランだ。
昨夏にはFWダルウィン・ヌニェス、今冬にはFWコーディ・ガクポを迎えるなど、アタッカー補強にはそれなりの資金を投じている。昨年冬に獲得したFWルイス・ディアスを含めれば、彼らは今後の成長が楽しみな有望株だ。
しかし、今のチームは攻撃陣よりも中盤に問題があるのではないか。同メディアも、今のMF陣は若すぎるかベテランすぎるかのどちらかと伝えており、いわゆる旬な中堅世代が不足していると指摘。ジェイムズ・ミルナーやジョーダン・ヘンダーソンは衰えた可能性があり、今季チャンスをもらっているステファン・バイチェティッチ、ボビー・クラーク(どちらも18歳)はまだ経験が浅すぎる。
中盤のトライアングルを総入れ替えするほどの補強が必要だったとの見方もあり、補強の最優先エリアは前線ではなかった。ここまで20試合を消化して勝ち点は29となっているが、クラブとしてはブレンダン・ロジャース体制だった2014-15シーズンも同じく20試合消化時点で29ポイントだった。
あれから8年ほどの歳月をかけてリヴァプールは強さを取り戻し、クロップの下でプレミアのタイトルもチャンピオンズリーグのタイトルも獲得した。またトップ4に入れない時期へと逆戻りするのは厳しいが、クロップはこの混乱を止められるのだろうか。