プレミアの勢力図はBIG6からBIG7に書き換わる? 買収後勢い増すニューカッスルのSDが語るクラブのこれから

ニューカッスルはこれからどんなクラブに変貌を遂げるのだろうか photo/Getty images

どのようなクラブになるのか

長年プレミアリーグを支配するBIG6。アーセナル、チェルシー、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、リヴァプールの6クラブの総称であり、プレミアを代表する6チームだ。

彼らの実力はBIG6と呼ばれるだけあってプレミアでも頭一つ抜けている。昨季はシティ、リヴァプール、チェルシー、トッテナム、アーセナル、ユナイテッドの順でフィニッシュしており、BIG6が上位6つの椅子を独占した。

莫大な放映権料の流入があって彼らBIG6に対抗できるチームは近年増えたように感じる。レスター・シティやウェストハム、ニューカッスル、ブライトンがそうだ。とくに今季のニューカッスルとブライトンは素晴らしく、第10節終了時点では6位と7位にいる。
しかし20-21シーズンに5位でフィニッシュしたレスターは今季絶不調で、9試合消化してまさかの最下位にいる。

彼らの今季の不調の原因は様々だが、一つは夏の移籍市場で思うように動けなかったのが大きい。ヴォウト・ファエスのような即戦力DFを獲得することはできたが、それ以外に目立った補強はなかった。

近年BIG6に近づくクラブの共通点は移籍市場での積極性であり、それこそレスターはリヤド・マフレズ、エンゴロ・カンテ、ハリー・マグワイア、ウェズレイ・フォファナら主力をBIG6に高額な移籍金で売却しチーム全体を強化した。だが今季のレスターは財政状況が苦しく、夏の移籍市場ではほぼ動けなかった。

BIG6とそれ以外のクラブとの差はここにある。BIG6は何も実力だけで決まっているものではなく、そのチームのブランドや価値も必要になる。そうでなければ毎年のように移籍市場で多額の資金を費やすことはできない。

だがニューカッスルはそんなBIG6との差を埋められるクラブかもしれない。ニューカッスルは昨年の10月に買収され、飛躍を掴んだクラブだ。昨季の冬の移籍市場、夏の移籍市場で積極的な補強を見せ、現在は6位にいる。とくに補強は的確であり、地味だが成功する補強を続けてきた。

その中心にいるのが、スポーツディレクターのダン・アシュワース氏だ。以前は三笘薫のブライトンでSDとして働いていたが、買収後ヘッドハンティングされている。

英『The Telegraph』ではアシュワース氏がニューカッスルの今後について語っており、BIG6の牙城を崩すことは可能だと話している。そこで挙げられている今後の課題は収益の増加、アカデミーの充実、移籍市場での立ち回りだ。

収益の増加で手っ取り早いのは欧州のコンペティションに参加することだ。プレミアは1位から4位までがCLに参加でき、5位と6位がELに出場する。今の勢いをニューカッスルが維持できれば来季でその願いが叶うか。移籍市場で選手が希望することでよく耳にする言葉はそのクラブがCLに出場するかどうかだ。プレイヤーはCLやELのようなヨーロッパのコンペティションに出場することを夢見ており、結果良い選手が集まる。収益も増え、素晴らしいタレントが移籍したくなるようなクラブこそがニューカッスルの目指す先だ。

成功するクラブの条件として資金力、素晴らしい指揮官、そして実力のあるSDの存在が必要になる。ニューカッスルはその3点をすでに満たしており、BIG6をBIG7に書き換えることはできるのだろうか。

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