マグワイア、ストーンズ、ショーらは大丈夫か イングランド代表を悩ませる主力組の現状

マグワイアは最終ラインの要だったが…… photo/Getty Images

クラブで苦戦を強いられている者もいる

前回のワールドカップ・ロシア大会はベスト4、昨夏のEURO2020は準優勝と、国際舞台で結果が出ているイングランド代表。当然今年のカタール大会で狙うは優勝だが、代表監督ガレス・サウスゲイトには悩みもあるはずだ。

それは主力選手たちのクラブでの状況だ。

センターバックではハリー・マグワイアとジョン・ストーンズだ。2人はサウスゲイト体制で長らく主力を務めてきたが、それぞれ所属するマンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティでは微妙な立場にある。特に監督が代わったマンUでは、マグワイアの序列が落ちる可能性がある。それはサウスゲイトにとってかなりの痛手となる。代表でのマグワイアは守備の統率はもちろん、攻撃のセットプレイでも貴重なターゲットマンだ。サウスゲイトの中でマグワイアの代わりはいないだろう。
左サイドバックでは、同じくマンUでプレイするルーク・ショーが危ない。ここにはフェイエノールトからタイレル・マラシアが加入しており、先日勝利したリヴァプール戦でも一定の評価を得ている。ショーはEURO2020決勝のイタリア戦で先制ゴールも決めた主力ではあるが、クラブでの状況次第では代表での扱いも変わるか。

中盤では今夏にリーズ・ユナイテッドからマンCへステップアップしたカルヴァン・フィリップスだ。ワールドカップを前にリスクのあるステップアップで、プレミアリーグ屈指の選手層を誇るマンCでレギュラーを掴むのは簡単ではない。サウスゲイトはボランチにデクラン・ライスとフィリップスを並べる機会も多かったが、フィリップスがマンCで出番を得られない場合は話が変わる。ドルトムントMFジュード・ベリンガムがいるため大きな問題にはならないかもしれないが、それでもピースは多い方がいい。フィリップスも何とか出番を増やす必要がある。

マンCでは2年目を迎えるMFジャック・グリーリッシュも気になる。EUROではジョーカー的存在を担っていたが、昨季のマンCでのパフォーマンスには賛否両論ある。悪いわけではないが、絶好調というわけでもない。2年目の今季も改善が見られない場合、非情な判断を下す必要も出てくる。

中盤ではクリスタル・パレスでの活躍からA代表デビューの機会をもらったMFコナー・ギャラガーも注目だ。今季は所属元のチェルシーに戻っているが、さすがに競争は激しい。こちらはレンタル移籍から所属元に戻った形だが、フィリップスと同じくワールドカップを前にした一つのステップアップとも言える。果たして出番を確保できるのか。

やはり一番気になるのはセンターバックだろうか。ここはミランのフィカヨ・トモリ、クリスタル・パレスのマーク・グエーイらも候補者ではあるが、2人ともサウスゲイト体制での経験はそこまで豊富ではない。マグワイアとストーンズが軸となってきただけに、両者のクラブでの状況は気にかかる。

果たしてイングランドは万全の状態でカタールへ向かえるのか。前線ではラヒーム・スターリングがマンCからチェルシーへ向かうなど、ワールドカップを前に動いた選手が多い。中には苦戦する者も出るはずで、サウスゲイトにとっては悩み多き3カ月となるかもしれない。

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