ジェラード、ランパードの領域には届かない 新天地でもデル・アリはベンチに座っている

エヴァートンへ移籍したデル・アリ photo/Getty Images

トッテナムから移籍したが……

もうイングランド代表候補としても名前が出なくなってきた。

今冬にプレイタイムを増やすべくトッテナムからエヴァートンに移籍したのが、イングランド代表MFデル・アリ(25)だ。

数年前はイングランドの未来とまで考えられていた選手で、ブレイクした際にはスティーブン・ジェラードやフランク・ランパードとの比較論まであった。
しかし、徐々に数字は低下。トッテナムではジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテといった指揮官の信頼を勝ち取ることができず、今冬にエヴァートンへ移籍することに。

ところが、エヴァートンでもあまり状況が変わっていない。降格を回避したいエヴァートンにとって今冬迎えたデル・アリ、MFドニー・ファン・デ・ベークといった選手たちはチームを救うヒーロー候補だったはずだが、デル・アリはエヴァートンでも立場が微妙なものとなってきている。

今節はウェストハムと対戦したが、デル・アリはベンチスタート。試合は1-2でリードされる苦しい展開だったが、指揮官フランク・ランパードは最後までデル・アリに出番を与えなかった。このゲームは同じ中盤のファン・デ・ベークも欠場していただけに、その状況でもデル・アリに声がかからないのは寂しいものがある。

デル・アリは1-0で勝利した3月17日のニューカッスル戦もベンチに座ったままゲームを終えており、明らかに出場機会が減ってきている。ニューカッスル戦では21歳のMFアンソニー・ゴードンが起用され、ウェストハム戦ではメイソン・ホルゲート、アブドゥライェ・ドゥクレ、アレックス・イウォビが中盤を構成しており、デル・アリの序列は彼らよりも下になりつつある。

この現状に、かつてリヴァプールなどを指揮した解説者のグレアム・スーネスも危険だと指摘する。エヴァートンでも失敗したとなれば、もうデル・アリに声をかけるビッグクラブは出てこないと考えられるからだ。

「彼の状況はミステリーだ。彼がスパーズで出てきた時、私は彼がトッププレイヤーになると思ったものだ。私が何か彼にアドバイスをするなら、今がラストチャンスだと伝えるだろう。もしエヴァートンでも結果が出なければ、次はどこへ行くだろうか? ビッグクラブでないのは確かだよ」(英『Daily Mail』より)。

今年はワールドカップ・カタール大会も控えているが、今のままではデル・アリに声はかからないだろう。イングランド代表のメンバー争いは熾烈で、デル・アリはフィル・フォーデンやメイソン・マウントといった後輩に大きく後れを取っている。

25歳と中堅世代に入ってきたデル・アリのキャリアはどうなるのか。ここ1、2シーズンほどは迷走が続いており、ランパードの信頼も得られないとなればピンチだ。

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