世界中に数多のサッカーリーグがあれど、市場の大きさでいえばイングリッシュ・プレミアリーグがやはり随一である。移籍市場で取引される選手の価格も年々つりあがっており、もはや5000万〜6000万ユーロくらいの取引ではファンも驚かなくなってしまった。2011年にリヴァプールからチェルシーに移籍したフェルナンド・トーレスの移籍金は6,500万ユーロとも言われ注目を集めたものだが、その頃と比べても隔世の感がある。
現在のプレミアリーグにはこの頃のトーレス並み、またはそれ以上の価値を持つとされる選手が数多くプレイするが、いわゆるビッグクラブ以外にも破格の市場価値を持つ選手がいる。『transfermarkt』では、プレミアリーグ市場価値ランキングと題してトップ30が紹介されており、この中にも中堅クラブから3名の選手がランクインしている。
30位にランクされたエヴァートンのFWリシャルリソンは、現在5,500万ユーロの価値があるとされる。東京五輪得点王という肩書きも手伝ってか夏にはバルセロナ、パリ・サンジェルマンなどからのオファーが盛んに報じられていた。膝の負傷の影響もあり今季の出場時間はそれほど多くないが、アーセナル戦での“あわやハットトリック”は鮮烈であり、このままエヴァートンが下位をさまようならば来夏の移籍もありそうだ。
6000万ユーロの価値とされ、26位にランクインしたのがレスターのMFウィルフレッド・エンディディだ。いわゆるボールハンタータイプで、今季もここまで負傷離脱もありながらタックル数57、成功数39という数字を誇っており、当然のようにチーム1位、プレミアリーグ全体でも3位である。所属のレスターはしだいに調子を取り戻しつつあるものの、欧州コンペティションの出場権獲得は厳しいと見られ、エンディディにはマンチェスター・ユナイテッドなどからの興味が噂されている。
14位に食い込んだウェストハムMFデクラン・ライスは、もはや毎シーズンのようにビッグクラブからの関心が取りざたされる選手だ。価値は7.500万ユーロとされている。5位と健闘するウェストハムの中で今季のタッチ数1194回、パス成功数906本、タックル成功数28回はいずれもチームトップ。まさに中盤を制圧しており、ウェストハムの好調は彼のおかげと言っても過言ではない。これまで数多の関心を示されながらもウェストハムのために働き続ける同選手だが、そろそろ来季あたり破格の移籍金でビッグクラブ行きが決まってもよい頃合いだろう。
現在の所属クラブも簡単に手放すとは考えられず、強気の交渉となることが予想されるが、そろそろ彼らをビッグクラブで見てみたいと考えているファンも多いはずだ(データは『FBREF』より)。