グリーズマン、フェリックス、スアレス…… シメオネは豪華アトレティコ攻撃陣を活かせているのか
伸び悩んでいる印象もあるフェリックス photo/Getty Images
指揮官のスタイルと噛み合っていないとの指摘も
現在のリーガ・エスパニョーラにおいて、最も豪華な攻撃陣を抱えているのはアトレティコ・マドリードではないだろうか。
首位のレアル・マドリードも攻撃陣が好調だが、そこまで層が厚いわけではない。カリム・ベンゼマ、ヴィニシウス・ジュニオールが中心となっていて、相変わらずエデン・アザールとガレス・ベイルは計算できない。ベンゼマかヴィニシウスが離脱すれば苦しくなるだろう。
一方でアトレティコにはバルセロナから戻ってきたFWアントワーヌ・グリーズマン、ルイス・スアレス、ポルトガル期待の若手FWジョアン・フェリックス、アンヘル・コレア、今夏ヘルタ・ベルリンから獲得したFWマテウス・クーニャ、ウディネーゼから獲得したMFロドリゴ・デ・パウル、フランス代表MFトマ・レマルなど、攻撃のオプションは多い。
アトレティコを指揮するシメオネ photo/Getty Images
シメオネ自慢の守備の方は……
問題は、彼ら豪華な攻撃陣と指揮官ディエゴ・シメオネの相性が合っているかどうかだ。英『Daily Mail』も、シメオネが現攻撃陣を活かせていないのではないかと疑問視している。
最近では2019年夏に1億2600万ユーロもの移籍金で獲得したフェリックスに退団話が浮上しているが、フェリックスもシメオネのスタイルに合っているか分かりにくい選手だ。より攻撃的なマインドを持ったチームの方が才能を活かせたのではないか。
シメオネは長くアトレティコで成功を収めてきたが、派手な攻撃サッカーを好む指揮官ではない。ベースは堅い守備にあり、堅守を軸にバルセロナやレアルと互角に渡り合ってきた。
しかし、今は守備陣の方が少々不安定だ。最終ラインにディエゴ・ゴディン、ファンフラン、ミランダ、フェリペ・ルイスがいた頃は世界トップクラスの守備力を誇っていたが、もう4人とも退団している。その穴が埋まった印象はなく、派手な攻撃陣に比べて守備陣はグレードダウンした印象もある。このあたりも、同メディアがシメオネ流とクラブの補強が噛み合っていないのではないかと感じる理由だ。
ここまでアトレティコはリーグ戦16試合をこなし、27得点18失点。抱えている攻撃陣から考えると得点数は物足りない。そしてシメオネのチームにしては失点が多い。
グリーズマンの復帰やクーニャの加入もあって昨季より戦力はアップしているはずなのだが、シメオネはそれを引き出せていないのか。優れた指揮官であることに変わりはないが、今季前半戦の成績にはサポーターも満足していないだろう。