今回もカンテはピッチに“2人”いた? 無限のエンジンは止まらない

中盤で躍動したカンテ photo/Getty Images

今年でチェルシー5年目となるカンテ

チャンピオンズリーグ準決勝がついに幕を開けた。28日に行われたレアル・マドリード対チェルシーの一戦は前半にレアルはカリム・ベンゼマが、チェルシーはクリスチャン・プリシッチがゴールを決めて1-1に。その後は互いに堅守を見せ、膠着した時間が続いてタイムアップ。1stレグはアウェイゴールを決めたチェルシーが一歩リードして幕を閉じた。

互いに主導権を奪い合う白熱した展開となったこの試合だが、チェルシー側で一際存在感を発揮したのは中盤での出場となったエンゴロ・カンテだろう。

この日の中盤の構成は攻撃のメイソン・マウント、中盤の底でゲームを作るジョルジーニョとなっており、そこでカンテに求められるのはバランスの部分だろう。前線が人手不足なら攻め上がり、後方が薄くなればカバーに走る。役割が多いこのポジションだが、フランス代表MFはこの仕事を完璧にこなして見せた。

後方からの組み立てでは相手選手間で受け、安定した足元の技術から各所にパスを供給していた。また、豊富な運動量で各方面に顔を出し3人目の動きからパスコースを作るなど、ビルドアップにも貢献。セカンドボールへの反応も人一倍早く、攻撃を継続させる役割を担っていた。ピッチのどこにでも顔を出すため、カンテのプレイを見ていると彼が複数人いるのではと思わされることがある。今回も、まるでピッチに2人いるかのようなプレイぶりだった。

前半は右サイドで相手DFを引き出してからスペースを使う動きが何度も成功しており、あとはフィニッシュさえ精度が上がれば試合はもっと楽になっていたはずだ。

守備面ではタックル成功数、インターセプト数共に「1」と少ないが、速いプレッシャーや複数人での囲い込みなど多くの仕事をこなしていたと言える。

このように攻守に渡って大きな貢献を果たしたカンテ。この試合の活躍が評価され、プレイヤーオブザマッチに選ばれている。5月6日に開催予定の2ndレグに勝利し、チェルシーをファイナルに導いて欲しい(データは『WhoScored.com』より)。

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