ドイツの“超速ドリブラー”に芽生えた守備意識 新たな一歩でレベルアップ

今季は守備面での大幅な成長が見られるサネ photo/Getty Images

レーヴ監督もサネの意識の変化を絶賛

近代サッカーでは、攻撃の選手といえども守備面での貢献を求められる。そのため、かつてドリブラーやテクニシャンとして名を馳せた天才たちも、時代の移り変わりや環境の変化によって自身のスタイルを改め、攻撃面だけでなく守備面でも奮闘する姿を見せる選手も多い。バイエルン・ミュンヘンに所属するドイツ代表FWレロイ・サネもそのひとりだ。

シャルケの下部組織出身で、2014年4月にトップチームデビューを果たした現在25歳のサネ。スピードに乗ったドリブルや縦への推進力を武器に、2015-16シーズンから本格的に頭角を現した(ブンデスリーガ33試合に出場して8ゴール6アシスト)。すると、この若き逸材に目をつけたマンチェスター・シティが2016年夏に獲得。2017-18シーズンから2年連続でゴールとアシストの両方で2桁を達成を達成するなど(17-18:10ゴール15アシスト、2018-19:10ゴール11アシスト)、厳しいプレミアリーグでもその才能を遺憾無く発揮していた。その一方で、守備面では課題が浮き彫りになることもしばしば。ただ、その有り余る打開力や攻撃力で、マンCでは多少なりとも目を瞑られてきた部分はあるだろう。

しかし、2020年夏に移籍したバイエルンではそうもいかない。なぜなら、チームが素早いトランジションをひとつの売りとしていることもあり、毎年のように40ゴール以上を奪う絶対的エースのロベルト・レヴァンドフスキや、チームの顔であるトーマス・ミュラーですら守備を決して怠らないからだ。その結果、バイエルンは昨季に欧州の頂点まで登り詰めている。もちろん、サネといえども例外ではない。

今季序盤戦では、加入したばかりということ加えて守備意識の低さもあってか、途中出場や早い時間帯での交代が多かったサネ。しかし、まだまだ粗はあるもののシーズンが進むにつれて守備の意識が確実に芽生え始めており、出場時間も着実に増えてきている。先のラツィオ戦でも、その片鱗を垣間見ることができた。そして、所属クラブを離れてもその姿勢は変わらない。今回の代表ウィークでも、サネの守備に対する意識の変化が顕著に現れていたのではないか。素早いトランジションやチェイスからボールを奪うシーンが何度も見られた。

ドイツ『kicker』によると、ドイツ代表の指揮官を務めるヨアヒム・レーヴ監督もサネについて「レロイは守備面で非常に素晴らしい場面があった。それが顕著に表れていたね。これは私にとって、最もポジティブな要素の一つだったよ。ボールを失ったり、局面が変わったりする際に、彼はすぐさま切り替えていた。ルーマニア戦では4、5回はボールを奪っていたし、アイスランド戦でもそれが見られた。彼は明らかに新たなる一歩を踏み出している」とコメントし、意識の変化を絶賛していた。

サネは守備面の改善で新たな一歩を踏み出し、レベルアップを果たしている。今後は攻撃面だけでなく、守備やトランジションの部分でのプレイにも注目だ。

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