日本の元10番はどうなる 好み分かれる“ファンタジスタ系”の才能

日本の10番を背負う中島 photo/Getty Images

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再び中東へ

森保ジャパンで10番を任されたこともある男のキャリアはどうなるのだろうか。今月16日、ポルトガルの名門FCポルトに所属するFW中島翔哉がUAEのアル・アインにレンタル移籍することが決まった。

2017年にFC東京を離れてポルトガルのポルティモネンセへ移籍し、カタールのアル・ドゥハイル移籍を経て昨夏にFCポルトへ加入。そして再び中東のアル・アインへ。ポルトガルと中東を行き来する珍しいキャリアとなっており、これが中島の成長に繋がるのかは微妙なところだ。

ボールを持った時の中島は怖い。世界トップレベルのDFをも翻弄するテクニックとアイディアがあり、森保ジャパン発足以降最も日本のサポーターを興奮させてきたのは中島と言ってもいい。どこかファンタジスタ的な気質を持ち合わせており、前を向いて仕掛けた時の中島は本当に面白い選手だ。
しかし、欧州へ移籍した頃より守備面やオフ・ザ・ボールの動きを指摘されることが何度かあった。守備意識は改善されてきたところがあるものの、ポルトを指揮するセルジオ・コンセイソンにとってはヘスス・コロナやオタビオ、ルイス・フェルナンド・ディアスといった選手の方がチーム戦術の中に組み込みやすかったのかもしれない。

中島のプレイスタイルはチームの環境に左右される部分が大きく、同じような理由でチームから外されてきたファンタジスタ系プレイヤーは過去にも数多くいた。中島のような選手が評価を得るためには、得点やアシストなど目に見える結果でチームを引っ張るしかないのだろう。ただ上手いだけでは欧州トップチームで主力を張ることは難しい。

FC東京を飛び出した頃は期待の若手といった立ち位置だったが、中島は今年の8月で27歳を迎える。中堅世代に突入しており、ここまでのキャリアは大成功とは言えない。海外で目立った実績を残せたのはポルティモネンセ1年目の2017-18シーズンのみだ。当時はリーグ戦29試合で10得点と見事な働きを披露したが、それ以降はほとんど結果を残せていない。

香川真司から日本の10番を引き継ぐ形となった中島は、その番号にふさわしいだけの技術は備えている。単純なテクニックなら中島の方が上かもしれない。問題は、それをチーム戦術の中で活かせるかどうか。そのあたりの技術は香川の方が上だったと言わざるを得ない。

果たして今後日本の10番はどうなっていくのか。もちろん中東で攻撃の中心となり、王様のようにプレイするのも悪い選択肢ではない。27歳を迎える中島にとっては1つの正念場となりそうだが、アル・アインで得点やアシストなど目立った結果を残せるだろうか。

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