浅野にはまだ欧州カップ戦への道がある EL出場圏内まで8差のシュツットガルトが面白い

調子を上げてきたシュツットガルト photo/Getty Images

降格圏、EL出場圏のどちらにも近い奇妙な立ち位置

一時は残留争いに巻き込まれるかと思われた日本代表FW浅野拓磨が所属するシュツットガルトが面白いチームになってきている。

シュツットガルトは1月末に指揮官ハンネス・ヴォルフを解任し、新たにタイフン・コルクトを招聘した。それ以降チームは3勝1分と負けがなく、降格圏とは勝ち点差が13も離れた12位まで順位を上げてきている。ひとまずコルクト招聘でチームが立て直されたと考えていいだろう。

コルクトはそれまでチーム得点王だったチャドラック・アコロを外し、ダニエル・ギンチェクとマリオ・ゴメスの2トップを中心としたフットボールを展開する道を選び、シンプルな[4-4-2]を軸に結果を出している。さらに今冬に獲得したウイングのエリック・トミーの良さを活かしており、チームの顔ぶれは変わっている。

守備も安定しており、ここ3試合は全て1‐0のスコアで勝利を収めているのだ。失点数27はフランクフルトと並んでリーグで2番目に少なく、守備が統率されているのは残留へ向けた大きな武器になる。

何より興味深いのは現在の立ち位置だ。バイエルンを除けば各クラブの実力が拮抗していることがブンデスリーガの特徴だが、12位のシュツットガルトは来季のヨーロッパリーグ出場権獲得圏内にいる5位レヴァークーゼンと勝ち点差が8しか離れていない。降格圏内までは勝ち点差13、ヨーロッパリーグ出場圏内までは8差と奇妙な立ち位置だが、シュツットガルトにはまだ欧州の舞台を夢見る資格がある。

指揮官が代わったことで浅野は苦しい立場に置かれているが、来季欧州の舞台で戦えるチャンスがあるのは興味深い。独『Deutsche Welle』は「おとぎ話なのか運なのか」と報じているが、堅守のシュツットガルトは欧州カップ戦出場権争いを混沌とさせる面白い存在となるかもしれない。


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