やはりリベロ・長谷部が必要なのか 独紙が問題視する”ベッケンバウアー”のいないフランクフルト

フランクフルトを支える長谷部 photo/Getty Images

長谷部不在でビルドアップに問題抱える

18日のホッフェンハイム戦、25日のレヴァークーゼン戦はフランクフルトに所属する日本代表MF長谷部誠にとって奇妙なゲームだった。チームを指揮するニコ・コバチは長谷部の能力を非常に高く評価しており、昨季もリベロとして長谷部を使い続けてきた。その長谷部がこの2試合ではベンチスタート。しかもレヴァークーゼン戦では出番すらなかった。怪我で戦列を離れることはあっても、ベンチに入りながら先発出場しないのは珍しいケースでもある。

これを独『Hessenschau』も気にしている。「終わりの始まりか」と取り上げており、膝の問題で一貫性に欠けるところが問題になっていると見ているようだ。長谷部は今年3月のバイエルン戦で膝を痛め、手術を受けてからは復帰と離脱を繰り返す状態が続いている。指揮官としては計算しづらいだろう。

その中でコバチはダビド・アブラハムをリベロの位置で起用するやり方を見つけ、長谷部よりスピードのあるアブラハムの方が広範囲をカバーできると評価されている。長谷部が膝、年齢の問題もあってトップスピードが落ちているならば、アブラハムが起用されるのも頷ける。
しかし同メディアは、アブラハムを中央に置いたことでビルドアップの部分でミスが目立つようになったと指摘。本来ボランチを本職とする長谷部は最終ラインでボールを持つことを苦にしていないため、長谷部のところから攻撃をスタートすることができた。今はそれがなくなり、最終ラインのパスミスから相手にチャンスを与えていることを同メディアは問題視している。

フランクフルトは次節ヘルタ・ベルリンと対戦することになっており、ヘルタは堅守速攻が1つの武器だ。同メディアはフランクフルトのビルドアップから相手にチャンスを与えるのは問題と捉えており、長谷部がトップフォームならばリベロとして起用すべきとの考えだ。

長谷部にとっても出場機会を確保しておくことは重要で、日本の主将とて代表でのポジションが保証されているわけではない。再びフランクフルトのベッケンバウアーとして存在感を発揮していく必要があるだろう。

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