一時期はアジアで猛威を振るうも…… 衰退していく中国スーパーリーグ ここまでの惨状を中国メディアが分析

かつてACLにて脅威だった中国サッカー photo/Getty Images

タイのリーグに抜かれ8位に

アジアサッカー連盟(AFC)は20日、24-25シーズンのクラブ・コンペティションランキングを発表。過去8年のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の成績をから算出したこのランキングで日本は107.663点で2位となり、1位119.957点のサウジアラビアに次ぐ順位となった。

今回のこのランキングで落胆の色を隠せないのが中国だ。中国は今回のランキングで54.682点となり昨季の57.764点から減少し、順位も7位から8位に降格。昨季8位のタイ(今回54.873点)に抜かれるという結果になった。また来季のアジア・チャンピオンズリーグの出場枠の割り当ても決定し、これまで2(ACLE枠)+1(ACLEプレイオフ枠)+1(ACL2枠)だったのが、来季からは1+1+1に減少。4チームから3チームに減少し、ACLEの出場枠も1つ減らされることとなった。

中国『狐捜』は今回のこの結果を受けなぜここまで衰退したのかを分析。ポイント低下の原因として、今回のACLEに出場していた上海申花、上海上港がラウンド16で川崎フロンターレ、横浜F・マリノスにそれぞれ敗れて準々決勝進出を逃したことを挙げている。

また2020年以降のACLで成績不振に陥ったことも要因の1つとしている。中国サッカー協会が国内リーグとACLの試合日程を上手く調整できなかったことから21年、22年の大会では若手主体で挑むことに。結果的にJクラブや韓国のクラブに5点差以上で大敗する試合も多く、東南アジアやオーストラリアのチームにも負けることも珍しくはなかった。

かつてはアジアで猛威を振るっていた中国スーパーリーグ。元ブラジル代表のMFオスカルや、元イタリア代表のMFアレッサンドロ・ディアマンティなど欧州から多くのスター選手を爆買いし、さらには強豪のナショナルチームからも監督やコーチなどを雇い国内サッカーの強化に注力していた。特に2019年、2020年のクラブ・コンペティションランキングでは1位、その前のランキングでも5位圏内に入っており、ACLでは優勝、上位進出を目指すJクラブにとって立ちはだかるチームが多かった印象だ。それがコロナ禍で様々なクラブの経営が傾き、財政も悪化。中には解散するクラブも多く、中国の絶対王者であり日本でも馴染みのあるクラブだった広州恒大も今年1月に解散を発表している。

同メディアはこの現状に「中国スーパーリーグの衰退は残念だ。リーグ競争力の低下やユース育成システムの弱体化などの問題も浮上し、今回のこの出場枠の削減はほんの始まりに過ぎない。早急にACLで立て直せなければ、今後はアジアの2流、3流のリーグに成り下がる。中国サッカーにとってこれはクラブの危機だけでなく、サッカーシステム全体の早急な改革が必要であることを示す警告信号でもある」と指摘した。

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