「1回の勝ち負けで決めたことではない」 チェルシー新会長が明かしたトゥヘル解任の意図

ベーリー氏はトゥヘル監督解任の理由を明かした photo/Getty Images

トゥヘル政権は約1年半で幕を閉じた

シーズン開幕からわずか1ヵ月でトーマス・トゥヘル監督を解任し、ブライトンを率いていたグレアム・ポッター監督に新指揮官を託したチェルシー。共同オーナーの1人であるトッド・ベーリー氏は、今回の監督交代の意図について自らの言葉で明かしている。
 
2021年1月からチェルシーの指揮官に就任し、そのままクラブにチャンピオンズリーグ制覇をもたらしたトゥヘル監督。昨季はリーグ戦を3位で終え、FA杯やリーグ杯は準優勝とあと一歩及ばなかったものの、UEFAスーパーカップやクラブW杯のタイトル獲得に成功している。
 
そして、オーナー交代が完了し新体制で迎えた今季のチェルシーは、夏の移籍市場で大量の資金を投入。しかし、ここまでリーグ戦3勝1分2敗となかなか調子は上がらず、直近のチャンピオンズリーグ、ディナモ・ザグレブ戦でも1-0で敗戦。その後にトゥヘル監督の解任が発表されている。
 
英『Daily Mail』によれば、チェルシーのオーナー兼クラブ会長となったベーリー氏が、今回のトゥヘル監督解任劇について言及。アメリカ・ニューヨークで開催中のカンファレンスイベント『SALT』にて、その背景を明かしている。
 
「どんなビジネスを引き継ぐ時も、そのビジネスに携わる人々と足並みを揃える必要がある。トゥヘル監督に特別な才能があることは明らかであり、チェルシーで大きな成功を収めた人物であることは明白だ」
 
「クラブに関する我々のビジョンは、我々と本当に協力したい監督、我々が本当に協力したいと思う監督を見つけることだった」
 
「チェルシーには、取り払うべき壁がたくさんある。以前まではトップチームとアカデミーがデータを共有していなかったし、トップ選手たちがどうやって育ってきたのかといった情報も共有されていなかった。我々の目標はチームをひとつにすること。そのためには全てをうまく機能させる必要がある」
 
「我々の決断の真意は、私たちが思い描いていた道と同じ道をトーマス(・トゥヘル監督)が見ていたのか、確信が持てないということだった。誰が正しいとか間違っているとかではなく、将来のビジョンを共有できていなかっただけなんだ。ディナモ・ザグレブ戦がどうこうではなく、チェルシーがどうあるべきかというビジョンを共有できるかどうかだった」
 
「1回の勝ち負けで決めたことではない。クラブにとってこれが正しいビジョンだと思ったから下した決断だった」
 
このベーリー氏の発言からは、新たなチェルシー幹部たちがトゥヘル監督とうまく意思疎通できていなかったこと、もう少しお互いを理解し合える人物を指揮官に据えたかったことが窺える。聞く限りでは、比較的前向きな組織改革を行っているようにも思えるが、このままチェルシーは良い方向へ進んでいくのか。

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