PSGで《2ゴール1アシスト》は満足できぬ 天才と思われたドラクスラーがW杯へ当落線上の現実

ドラクスラーはドイツの中心になると思われた photo/Getty Images

ダブル・ユリアンへの注目

すでにワールドカップ・カタール大会出場を決めているドイツ代表は、ここから熾烈なサバイバルが一気に加速する。

今月は26日にイスラエル、29日にオランダと親善試合を予定しており、本格的なテストが始まることになる。代表監督ハンジ・フリックもテストを意識したメンバーを招集しているが、中でも注目はベンフィカMFユリアン・ヴァイグルとパリ・サンジェルマンMFユリアン・ドラクスラーだ。

ヴァイグルはドルトムントでも長くプレイしていた選手で、A代表デビューは2016年と早かった。しかし定着はできず、ドルトムントも退団。やや存在感が薄くなっていたが、今季は守備的MFとしてチャンピオンズリーグ・ベスト8入りに貢献するなど一定の結果を出している。今回5年ぶりに代表招集を受けることになり、ポジション的にはジョシュア・キミッヒやレオン・ゴレツカらとメンバー入りを争う格好だ。

ベンフィカではヴァイグルが奮闘中 photo/Getty Images

W杯へ生き残るのは誰だ

ドラクスラーの方は、相変わらずスター揃いのパリで今一つ主力になりきれていない。昨年11月にもフリックはドラクスラーを代表へ呼んでいるが、この時は怪我で離脱。もうチャンスは巡ってこないかとも思われたが、フリックは見捨てていなかったようだ。

今季パリでの成績はリーグ戦18試合で2得点1アシストと褒められたものではないが、才能はドイツ国内でも高い評価を受けてきた。所属クラブの状況は気になるところだが、フリックはまだ戦力になる可能性があると見ているのだろう。このテストで結果を出せば、カタール行きの切符を掴めるかもしれない。

他には初招集のマインツMFアントン・シュタッハ、フレッシュな若手として生き残れるか注目されるバイエルンMFジャマール・ムシアラ、ザルツブルクFWカリム・アデイェミ、ヴォルフスブルクFWルーカス・ヌメチャといった選手たちがカタール大会へ向けてアピールを続けてくことになる。彼らはまだ安泰と言える立ち位置ではない。

ユリアン・ヴァイグル、ユリアン・ドラクスターのダブル・ユリアンは若い頃より才能が評価されてきたが、同時に伸び悩んだ2人でもある。センスは代表入りにふさわしいものがあるが、それを示せるのか。そう多くはチャンスをもらえないはずで、ワールドカップ行きへ今回の代表戦は重要なアピールとなりそうだ。

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